ラード・アラモード

アウトドア好きのオッサンです。山系バックパッキング、サバゲ、林道野宿ツーリング、好きなモノ、好きなコト、昔ばなし(w のんびりと、自分の興味をご紹介します。

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ラード

Author:ラード
千葉県在住
バイクはXR250「Baja」
クルマはE46「325i Touring」
メインアームは「SIG552 SEALS」


林道焚火野宿のバイク旅と
サバゲ、そして
バックパッキングの世界を愛する。
風流なオッサンとなるべく
奥義を研究する日々(w

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北へ、そして頂から海へ。Prologue & Day1

2013/09/12(木) 17:35:12

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「栂海(つがみ)新道を歩きたい」と考えはじめたのは、いつだったか――。
何年も前からボンヤリとした希望は持っていたワタシですが、具体化したのは、そう、昨年の夏だ。信越トレイルをやるか、ツガミをやるかでちょっと悩んだ。そのときは体力的にイマイチ不安だったので信越トレイルにキメたワケですが、「ロングトレイル熱」はその後も健在だったのだ。

ワタシの登山は「山系バックパッキング」と自称しています。ソロ・テン泊・ひと筆書きコースによる一週間ほどの山旅を、夏にヤル。付け加えれば、そのルートには起承転結みたいな「ものがたり」性もブチこみたい。自己満足のキワミではありますが(w
そうして、登山の世界に出戻ってきて5年、ワタシの恒例イベントとなった「ひとり夏合宿」をふり返ってみますと、飯豊連峰全山、北ア南部、南ア南部、尾瀬逍遥、信越トレイルの縦走と、論旨一貫。われながら軸はいっさいブレてないのがステキじゃないかと(w

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最初に「栂海新道」という名を知ったのは、1980年という大昔。ワタシが大学2年の夏でした。
その年、山岳部の「第1次夏合宿」が2週間ほどの北アルプス縦走で、そのときの長大なコースとは、黒四ダム~内蔵助平~剱~立山~薬師岳~赤木沢遡行(日帰り)~黒部五郎~鷲羽~雲ノ平~竹村新道~湯俣~北鎌尾根~槍~北穂~涸沢~奥穂~西穂~上高地。
合宿としては、ココで終了・解散したのだが、副将のワタシを含めた本隊はOBなどらと合流して、「滝谷」での1週間ほどの岩登り「準」合宿をするために、そのまま再び北穂高岳へと入山していったワケです。狂ってるよナ(w

マクラが長くてすまぬが、この「滝谷」行に参加せずに、そのままシロウマ大雪渓へと移動して栂海新道を踏破して日本海へと抜けた部員が2名いたワケです。いやしかし、それまで半月間も狭いテントでバタバタと縦走(それも、4~5人用テント「エスパース」に5名で、だぜ。なんとも暑苦しいw)してきて、間髪いれずに縦走に出直すってのも、狂っとるワ(汁
さらに脱線しちゃうと、この滝谷での登攀から帰京して、ワシらは一週間ほどの休養および準備期間を取ってから、利根川源流域での8日間ほどの沢登りという「第2次夏合宿」に突入していく。むーん。何という充実の日々。もう二度と味わうコトなどない夏の記憶よ。

ちなみに2枚の画像は、その合宿時のもの。上は「五色ケ原」。現在もラインナップされている「エスパース」テント4~5人用に、5名で2週間。今なら2泊くらいで発狂しちゃうかも(w このテントはフライシートが別体式で、設営はメンドくさいものの本体とのスキマが大きく、各自の登山靴とかコッヘルなどを置いておけるから、まあ、なんとか楽しく生活はできていました。
わが山岳部のメイン・テントはコイツで、いま振り返るとクソ重くてガサばったシロモノですが、ほかにドーム型の「使える」ヤツは存在しなかったから、季節を問わず使い倒していました。欠点は、とくに強風の吹く冬山ではグラスファイバー製のポールがポキポキとよく折れたこと。また現在のようにポールがインナーゴムで繋がっていないから、テントの設営や撤収時には独特のコツが必要なのはメンドーでしたね。
そのスキマにいくつか見えてるのが、現在も売ってるエバニューの「エバーポリタン」2㍑。すべての飲みものを不味くさせるという、他の選択肢が無い山岳部員どもにとっては、まったく恨めしい存在だった水筒。合宿時はいつでも、ひとり2ケを満タンで持ち歩くのが基本でしたね。
米をといでる「S」氏の左に置いてあるのが、その後「ツガミ」に向かう「T」先輩の「トカン」。背負子に積んだ一斗缶ってヤツは完全防水にできるので、当時、山岳部系のごく一部では重宝されていたスタイル。ただしスグにボコボコになっちゃうという。
写真の左後ろに、当時すでに珍しくなっていた大型の家型天幕が望めます。ワンゲル部なんかは「重いこと」を良しとしていたという、ワシらには想像もつかぬ「軍隊ごっこ」をしていたから、きっとワンゲルだな。しかしながら、近ごろでは「参天」などというUL系の妙な志向をもつ変人たちが跋扈してるもんで、逆に違和感は無くなっちまってる、というね(w

下の写真は、滝谷の「第3尾根」をセカンドでフォローするワタシ。右手あたりに紫の11mmザイルが見えますね。そろそろ終了点が近いのかな。スッパリ切れ落ちて下は数百㍍ほどの空間のハズですが、この画像では遠近感が分かりづらいね。ちょろっと覗いてる登山靴は「ニッピン」のモンタン。縦走も本チャンの登攀も、コレ一足で。こういうところも現代とは考えかたが変わったトコロではありますね。

閑話休題。
えらく慌ただしかったこの年の夏に、「シロウマから2日かけて日本海に出る」「飛騨山脈をトコトン忠実に下って親不知の海抜ゼロへ」という、栂海新道の存在を知ったのです。
小野健氏が主宰する「さわがに山岳会」が独力(!)で切り拓いて貫通させてから、当時で10年弱。おそらくそれは現在と比較して心もとないシングルトラックだったろうし、情報量もごく少ない、ちょっとした冒険行のニュアンスも残っていたかも知れない。
アルピニズムに燃えていたそのころのワタシにとっては、穂高での本チャン登攀と天秤にかけて実行するような対象では無かったものの、ちょっとステキだな、なんて自分のホンネ的に刷り込まれたネタだったんでしょう。

それから33回の夏が過ぎたワケです。

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さて。ツガミに向けて、おずおずとトレーニングを始めたのは5月の終わりから。わが家の周辺をジョギングするだけですがね。ただし、ジョギング環境としてはバツグンなのだ。なんたって、最寄りには一級河川・はなつまみ川がある。その両岸はサイクリングロードで、「健康のためなら死んでもいい」的ランナーが朝な夕なにワサワサ走ってる。

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この川を上流へと走って対岸を河口まで下れば、ソコは海水浴場のあるビーチサイドのジョギングロードに変貌する。人工海浜「検見川の浜」と申します。
このビーチってのが、夏が近づくと「甲羅干し」(死語だねー)をしながら缶チューハイなんかを飲みつつ小説を読んだりしてヒマをつぶせる、ラード的楽園(w この夏も、おかげさまで白ブタから赤ブタを経て現状は黒ブタのジジイへとカッコよく変身しているワケですが何か。

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ちなみに時刻をずらせば、こんなスペクタクルも味わえるんだから眼福です。けっこうな距離をモノともせずに屹立するスカイツリーがカッコよろしい。南を見れば富士山も、そして条件が揃えばゲートブリッジまで遠望できる「お手軽」絶景ポイントなのです。

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まあその。このリバーサイドとシーサイドロードの組み合わせを調整すれば、ジョギングコースは5kmから15kmへと自在に変えられて便利。夏はクソ暑いが。でもまあ、夏山に登るトレーニングなんだから、滝汗ダバドビヤにカラダを慣らしておくのが現実的と言えましょう。

最初は4kmを27分というスローペースでスタートして、7月上旬には、10kmジョグを60数分。土日にそれを連チャンで計20kmというところまで、ソコソコのレベルアップを果たしました。
ついでに腹筋90回と上半身のダンベル体操、そしてスクワットを週2回ほどリビングで、テレビなど見ながら暑苦しく実施。ワタシにしては珍しく、これらトレーニングを習慣づけるコトができました。

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ところが、海の日の連休初日、いつものペースでジョギングをしていて5kmの折り返し点を過ぎたところで、左ふくらはぎが「ピシッ」ときた。肉離れ、だ。
昨夏の「信越トレイル」のゴール地点で初めて体験したアレだが、今回は左足。つまり初体験。しかし6日ぶりとなるジョギングだったのに、ナゼこうなる(汁 疲労が溜まっていたのか。

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当然ながらジョギングどころか歩くコトもままならぬ。さらに間の悪いことに、その数日前、往路の長距離バス「毎日あるぺん号」、白馬八方行きの予約および乗車料金(6,000円)の振り込みをしちまったワタシ。
で、スクワットで鍛えることに特化しました。これなら痛くないんでね。最終的には、600回のスクワットをやっても筋肉痛にならないレベルになりました。

ところが…。準備万端と思っていたのに、実際に山を歩いてみると、ナゼかバテバテ☆ なんと言いましょうか、加齢を実感するレベルが昨年比で倍増でもしたんか?ってなムードなのネ(汁 やっぱりワタシの山旅は、サラリとは終わらない。その詳細を、さあ、これから。

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【8月3日(土)】
20時すぎ、自宅をデッパツ。お天気は、晴れ。高速バス「毎日あるぺん号」に乗車するために、秋葉原駅へ向かいます。
白馬方面行きの登山バスが増便され、そりゃあ日曜の夜デッパツよりも1日早いほうがイイ、などと喜んだワケだが、ちょっとした誤算がありました。
なにかというと、この晩、わが街では「幕張ビーチフェスタ」という花火大会だったんです。
ソレが見られん、というのは置いといても、数万人が押しかけるという最寄駅がゴッタ返してメンドくさい。案の定、海浜幕張駅では男女ともに浴衣姿のヤングなアベックたちで溢れかえっております。こんなにユカタを着たヒトたちを見る機会って、なかなか無いかも。
それにしても、近ごろの「F1」「M1」層ってのは、ホント、右にならえ的「ユニフォーム姿」になるのが好きなのな(w ああ、山ガールたちのカッコも同様かも。各人が個性を強調しようとして、結局、似かよったカッコになっちまってるという印象なんですがネ。

武蔵野線直通から総武線に乗り換え、秋葉原駅へ。ヨドバシの前にバス・ロータリーがあります。「毎日あるぺん号」は乗車場所が3ケ所からチョイスできる。ワタシは最寄りのココに決めましたが、結局、竹橋にある毎日新聞本社までシャトルバスに乗って移動するだけ、だったのネ。
ハタと思い当った。現在の「アキバ」は、成田エクスプレスが開通してから、国内はもとより「近隣の外国人」たちにとっての、おニューなターミナル駅と化していたのだと。関東周辺の各観光名所へと向かうためのね。
ここで一句。「アキハバラ いつの間にやらグローバル」おそまつ。

バスの中で飲む缶チューハイとか翌日の朝メシをコンビニで買い、竹橋へと移動。バスを乗り換えて22:20、毎日本社前をデッパツ。西新宿で再び停車し、登山客のみ合計20名ほどを乗せ、後立山連峰方面行きのバスは中央道へ。

バックパッキングCM:6

北へ。そして頂から海へ。 Introduction

2013/08/26(月) 18:01:18

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今年も「ひとり夏合宿」に出かけてきた。

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今回は4年ぶりの北アルプス。メインディッシュは栂海新道。
標高2,932㍍の白馬岳から、親不知の日本海へ。こいつはロマンの山旅です。

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それだけでは短くてつまらない。スパイスを加えよう。
大学1年次の夏合宿以来、34年ぶりとなる後立山連峰の縦走、そして不帰キレット越えだ。

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するとアプローチには、あの呪われた場所・八方尾根をチョイスすることになる。
「ゴーロク豪雪」との激闘の思い出が残る、縁起でもない山ではありますが。

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まあその。時はずいぶんと経過した。
二度とここは訪ねないと決めた封印、解いてみようか。

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ふり返ってみると、南北アルプスでやってきた縦走とは、すべて南下コースだった。

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それが潜在的な性向なのかは分からないが、初めて北に向けてワタシは歩く。新鮮です。

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8月上旬、そうして夜行4泊5日のバックパッキングを行った。

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前半のお天気はイマイチ不調。

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対して後半は好調。これはもちろん逆パターンのほうが良かった。
とことん標高を下げていくワケだから、暑くてキツかったのだ。

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いまが盛りと咲き誇る、可憐な山の花たちを満喫した。

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食欲も「サケ」欲も低下するという、あらたな奇病に苦しめられた。

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「ここに住みたい」とさえ思わせる、秘密の花園・絶景ポイントが頻出した。

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やはり北アルプスは格別だ。
一昨年の尾瀬、昨年の信越トレイルで見た光景とは比べものにならぬ素晴らしさ。

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親不知の海に下り着いたとき、その達成感をも上回る全身を震わす疲労感は強烈だった。

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長らく憧れだった物語感あふれるこの山旅の出来事を、ご紹介していこう。
(まあしかし目標は年内仕上げ、かなw)

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信越トレイル・いくつもの峠越えの山旅(6)Day6/Epilogue

2013/05/27(月) 17:58:03

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5:10、外が明るくなって目覚めた。夜中は、けっこう寒かった。この旅で初めてサーマルシーツにキチンと入って寝たのでした。

さて、信越トレイルの最終日です。きょうの行程、じつは余裕ありまくり。15時に下山ポイント「松之山口」で、この晩に宿泊するユースホステル「みゆきの杜」のクルマでピックアップしてもらうからです。
トレイルのゴール地点「天水山」を越えてその下山口までは、コースタイムでわずか3時間ほど。それなら正午くらいに迎えにきてもらえばイイのにとは、ごもっとも(w しかしこの宿による送迎サービスってのは、格安の費用で、ホントの片手間に拾ってもらうっつーニュアンスだから、ぜいたくなんか言えません。

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ビーサンをつっかけ、このキャンプ地の周辺を散策します。これは「千枚田」状のサイトの最奥、もっとも高い位置の区画。キチンと整備してあれば、ロケーションも眺めもイイし、こういった属性のヒトたちによる需要をキッチリ満たす、小ぢんまりとしたステキな幕営地だと思いますが如何。

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ひき続き「水場1」を探して、ウロウロと。そのとき遭遇したコモドオオトカゲ。体長150㌢。コイツと目が合ったとき、喰われるかとビビりました(w さらにワタシのテントから50㍍も離れていない舗装路の上には、クマ公が「わかりやすく」クソを残している。なんというワイルドライフ。

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まったくフザケたことに、今朝もハラが減らない。むーん。どうしちまったのか。デッパツ前にカロリーメイトなどの行動食をムリヤリ詰めこんで、シャリバテしないよう気をつけました。

仕方ないからコーヒーを優雅にすすります。テン場の「ムシ」状況は、昨夕はアリ、ヤブ蚊、小さいコオロギたちでニギヤカでしたが、今朝はアリ、小さいハチたちが引きも切らず。朝から焚いていた蚊取り線香、ついに無くなる。

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テントの5㍍ほど前方で見つけた、得体の知れぬナニモノかの死骸。体長10㌢くらい。たぶん、昨日はなかった。つまりワシのテントを目指してズルズル近寄ってきていたのかも(汁 大型のナメクジみたいなものか知らん。キモすぎ。ワシはムシ系が苦手なのだよ。

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日が差してきたらもう、暑くてたまらん。小さいハチがまとわりついて、のんびりもできぬ。濡れたり湿気っていたりするモノは、ザックも含めてビシバシ乾かしました。
そのころ、1台の乗用車がやってきました。お、一般人も進入できるのかと気づいた。どうやら蝶とかを捕りにきた様子。高級なデカい補虫網を持っています。
人種が違うから近寄らなかったんですが、一昨日の夕方、光ケ原の管理人以来となるヒトとの遭遇(w 里山のクセに、ちょっとスゴイね。ちなみに次にヒトと逢うのは、この日の午後3時。ワタシはこんなレベルの孤独感は無問題ですが、メンタルが弱いヒトには、信越トレイルのスルーハイクはハードルが高いかも。

きょうも大キジは出そうもないです。ま、そのほうがありがたい。それにしても今回は、大キジは5日間でわずか2回のみ。緊張感が体内に充満していたってコトでしょうか。この日の夕方、宿にチェックインした途端、便意を催してトイレ(ウォシュレット!)に駆けこんだワタクシですし(w

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10:10、デッパツ。深坂峠へと向かううアクセス・トレイルを進みます。するとソコは湿原を貫く木道が。すばらしい光景だ。キャンプ地のほうを振りかえって、一枚。

ちょうどココに、くだんの「水場1」がありました。ところが土の上を沢水が薄くチョロチョロ流れているだけで、何ひとつ手入れを施されていないから、水筒には汲みにくいムード。ま、こんなときのためにシェラカップをザックに外付けしているワケですが、つくづくテキトーな「管理」でありますなぁ(棒

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10:23、深坂峠に着きました。新潟側の眺めがイイ。暑いけれど乾いた風がココチよい。そしてトレイル本線に戻ります。

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トレイルの最終区間はけっこう濃密な樹林に覆われた、細かいアップダウンが連続するラフなシングルトラック。ふたたびのブナ林が気を紛らせてくれます。

そういえば、これらの写真たちを見返していて思ったコトがあります。関田山脈の全域に渡って展開しているブナの林では、雷撃で黒コゲになって立ち枯れているブナの巨木というのは、おそらく見なかった。
昨日のような雷雨は何回も起きるのだろうから、これだけ樹高があるブナは狙われやすいだろうに。いや、数年前に飯豊連峰を全山縦走したとき、すさまじい雷鳴の中でマルコゲ姿で佇ずむ巨木たちを見てビビったもんでしたが、この関田山脈においては何かの魔法でもあると言うのか。

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深坂峠から10分ほど歩いたトコロで、クマ公と遭遇しました。

10:50、トレイルの右(南)側、距離は5㍍くらいだったろうか、ガサッと大きなオトが。「え」。両手に持っているストックをガチガチと打ちならしたら、ゴソゴソッ。
ヤバイ! クマだ。大きく短く「ハッ!」と叫んだら、なにやら重量物がドサドサーッと右へ斜面をコロゲ下っていきました。

画像は、クマがいたほうを撮ったもの。ブッシュが濃いからヤツの姿そのものは見えなかったが、至近距離だったんでしょうね。「ふうぅ…」。緊張した。アレはホントにクマなのかと問われたら、間違いなく「四ツ足」の足音だった。ワタシのテント近くにフンをしていった、おそらく小グマ。

あとで信越トレイルの公認ガイドでもある「みゆきの杜」のオーナーに聞いたんですが、信越トレイル上には、シカもイノシシもいない。さりとて、ツキノワグマと鉢合わせした事例ってのも、ほとんど聞かないとのこと。では、これってレアな体験だったのネ。
ただし「熊鈴」は持っていったほうが良いと、事前の電話で言われてはいたんです。でもワタシ、あの鈴の「ヂャリヂャリ」ノイズを一日中聞かされたらアタマがヘンになっちまいそうでサ。だから「クマは気にしないよーにしよっと♪」と決めたら、こうなっちゃったという(w まあその。親グマと一緒でなくて、ヨカッタ。

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これも、正面に向かって続いていくトレイルです。5㍍ほど下ってまた登り返す様子が見てとれる。きょうも出がけに「アミノバイタル」2200をキメていますが、まもなくゴールだという気の緩みからか、このあたりの急な下りの斜面で、3㍍ほどコロゲ落ちてしまいました。ブーツに当たりまくる足指に気をつかって、ヘンな足運びをしたからだったか。無傷でヨカッタ。いや、けっしてワタシがデヴだからコロコロ止まらなかった、というワケではない、そう強く思いたい(w

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この途中、右手に黒く大きい雲がモクモクと育って、遠雷のオトが聞こえたりして不安にもなりましたが、やがて消え失せ、ドピーカンとなっていく。クマとワタシ以外は誰もいない静謐のトレイルを、たまに「ハッ!」と叫びながら歩いていく。

何回か騙されたあとで、ついに天水山のピークをロック・オン。

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12:08、天水山に到着。ココが信越トレイルのゴール地点です。
やった! 両手のストックを振り上げて「イエェェェェーッ」と天に吠える。どうせ誰も見てないし(w

うれしさがこみあげてくる。解禁されてからこの信越トレイルをキャンプでスルーハイクしたのは、せいぜい現時点で3~40名程度でないかと思うのです。
このエリアの土地カンなど一切なく、資料をアレコレ探しだすという作業からスタートしたプロジェクトみたいな山行が、いまミッション・コンプリーテッド。

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無風快晴。空気はサワヤカ、26℃。初秋の秋晴れを思わせる、この上ない頂上です。ウキウキと、カメラをゴリラポッドに取りつけてセルフ写真を撮ります。

2回目だったか、ザックを背負ったままセルフタイマーのシャッターを押してダッシュしようとしたそのとき、右足ふくらはぎが「ピキッ」と鳴った。
いや、実際に鳴ったかは分かりませんが、ワタシの脳内では、ピキッ。「おわっ。アキレス腱が切れたか?!」。いきなり絶望感に襲われた。でもなんか、足先は動かせるみたい。するとコレは、肉離れってヤツか。

肉離れになるのなんて生まれて初めて。だから物理的にナニがどうなったのか、イマイチわからんワケです。「インテバン軟膏」を塗りたくりながらチェックすると、登り斜面でカカトを着けた姿勢のときのみ、ズキーン!と脳ミソに痛みが突き刺さる。でも、それ以外は痛みを感じないから、何とか下山して行けそうだナと胸をなでおろす。いやしかし、コレも加齢現象だわな。予防策なんかあるんでしょうか。

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それにしてもゴール地点で「ピキッ」とくるタイミングって、どうなんだ。グッドなのかバッドなのか。いや、いいワケないか(汁 
では、残すところ1時間でこの「仕打ち」なのか、あるいは何かの警鐘を親切にも鳴らしてくれたのか。すなわち守護霊さまのお導きということか。いい気になって帰路の高速で事故って世間さまに迷惑を及ばさぬようにと戒めてくれた、とか。うむ。そうとらまえておこうか。
「風流なオッサンを目指す」というわが人生の指針、この山道については、まだ登り半ばということです。

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信州側が開けていて、いい眺め。ココでまったりとラーメンを煮て喰おうと思っていたんですが、用心のために早めに下り始めよう。13:05、デッパツ。

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アスレチックぶりを忘れないようにというありがたい配慮か、倒木の「またぎ&くぐり」コンボも再登場。今のワタシには苦行そのもの。

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ぴこたんぴこたんとビッコひきつつ、それでも着実に下っていくと、やがて荘厳なムードを発散させるブナの広大な林の中をジグザグに進む。

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立ち止まって、ひとつ深呼吸。ココのブナ林が「信越トレイル」でナンバーワンである!と推すヒトも多い。たしかに。長い行程を完遂した者への、森からのご褒美とも思えます。

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やがてトレイルはフラットになります。

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13:55、「松之山口」に到着。最後の最後でミソをつけてしまいましたが、なんとか無事に山旅を終えた。
グッジョブ、俺。

この場所でのワタシのピックアップは、15時の予定。ボーッと迎えを待ちます。遠くからは工事現場の発破のオトが。カンカン照りで、やっぱり地べたはアリさんだらけ。座る気分にもなれなかった。アリさんたちと共に過ごした5日間とも言え(w

15時ちょうど、軽カーでユースホステル「みゆきの杜」の奥さんが拾いに来てくれました。助手席のベビーシートには1歳7カ月の娘っ子がスヤスヤおねんねしている。

「松之山口」から南側の山麓、千曲川沿いを走る「R117」までは、オニのように高度を下げる。いま地形図でカクニンしたら高低差は650㍍もあります。
いやしかし、当初の計画では天水山から森宮野原駅までのオフィシャル下山道をヒコヒコ下っていく考えだったんですが、やめといてヨカッタ。オマケに、そのアクセストレイルは工事中で通行不可らしいしね。加えてその「事実」は信越トレイル・オフシャルHPで触れていない。ね、トラップ満載でしょ?(w

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もちろん、デッパツ時にお願いしてありました。「最初に見つけたコーラの自販機で、停めてください」(キリッ
奥さんもよく分かってくれてる(w クネクネの山道が里に近づいたころ、ついに発見。「ぐぐぐ」。以下略。

運転している奥さんとは、アレコレおハナシさせてもらう。いやその。丸二日ぶりに会話ができるのが、うれしくてサ(w 
長崎から出たことがなかった奥さんがご主人と結ばれて、いきなりこの雪国に連れて来られてユースホステルを立ち上げて、というホットな身の上バナシを聞き出しました。とりわけ、居を定めた「木島平」という地に対する愛着の思いは、よく伝わった。
ところがワタシの知っている「長野県」とは、北アルプスがあるエリアだけで、飯山をはじめとする県東北方面は門外漢でした。帰宅後に地図を眺めて、このときに出た山の名などモロモロが理解できた次第。この北信エリアにも、登るべき「いい山」がたくさんある。

千曲川沿いを走るR117からは、5日間で歩いてきた関田山脈の連なりが延々と望める。ちょっと感慨ぶかいムード。
飯山市内のスーパーで、ご主人の中村オーナーと運転を交代。そのままワタシを斑尾山に停め置いてあるマイカーのところまで連れて行ってくれます。
これらの「Tips」は補記として書く予定(あくまでw)ですが、チラッと言っちゃうと、このときの送迎料金は2.5kですよ。フツーにやったら10k弱+過密スケだよ。地図でカクニンいただくとその長距離が分かるでしょうが、コレ、ガソリン代のみです。
もちろん宿泊予定者限定のオプションですが、もう一日をゆったりと旅に追加できるソロ・バックパッカーにとってはベスト・サービスと断言しよう。そして加藤則芳さんの言う「トレイルエンジェル」が正しくコレなのだと、後になって思い至った。

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16:40、斑尾山麓の「チロル」前に5日ぶりに戻ってきました。気温は30℃。マイカーは無事。ただし車内は熱気がすごい。中村オーナーは飯山駅まで宿泊者をピックアップしに即デッパツ。大車輪です。

ワタシはのんびり走って、街中でディスカウント酒屋でカンビールなどを購入。なんと、ウチの近所で激安!と心得ていた価格と同じ。ヤルじゃないか。ちなみに飯山の中心街では「ベイシア・スーパーセンター」「TSUTAYA」「しまむら」等をパッと見でカクニン。ほほう。住めるじゃないか(w

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17:40、飯山からはクルマでしばらく走った高社山麓の木島平にあるユースホステル「みゆきの杜」にチェックイン。

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この日の宿泊者はワタシと60歳くらいのオジサンの2名。ワタシは4人部屋の「ドミトリー」をソロで使うことに。エアコン付きで、リネンも清潔。高原のロッジみたいな施設・サービスレベルと考えればイイかも。

ワタシ、ユースホステルに宿泊するのって、初体験なんです。いやその。大昔、じつは中2のときに会員証を作成したコトだけがある。そういや、専用のインナーシーツも買ったっけ。結局、怖くてドコにも出かけられなかったんですがネ。このヘタレっぷりもわが人生の汚点だった。以来きっかり40年。どうにか成長できたのかも。

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まっ先に、一番風呂に入らせてもらいました。もう、サイコーにココチ良い。
しばらくしたら食事のコールがかかり、2名でテーブルにつく。ハンバーグをメインとしたごらんのメニューで、久しぶりの晩ごはんは美味かった。
ビールは1本で十分だったかな。1本目は染みいる美味さだったんですが、なんかスグに満腹になっちまった。ちなみにビール2本はワタシの持ち込み物件。カンチューハイならともかく、ビールはウチのを頼んでほしかったと、奥さんからチクリ。申しわけない。次回はそうします。

ところでユースホステルと聞くと脳裏をよぎるのが、さまざまの恐ろしい「しきたり」。それらにもビビって宿泊をスルーしてきたワタシでしたが、今そんなコトどもは、ほとんど消えている様子。ココだけのハナシかどうかは分かりませんが、しごくフツー。
旅先での宿として考えると、知らん誰かさんと相部屋になることがネックなだけ。でも、宿泊料金について考えると、ヒドいときには「布団一枚につき3名」で寝かせる過密っぷりが恐怖そのものの山小屋なんかより、まったく格安なんですよ。
今回、非会員のビジター料金600円を加算する1泊2食つきで、5,600円。送迎料金を含めたら合計8,100円だから、先に紹介したマイカー@マダラオへの帰還事例と比べてどちらが「楽しいか」を考えてみてね、と。

すぐに眠くなって、21時には就寝。

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窓を開けたまま寝ちまったら、寒かった。5:10に目覚める。そういえば今回、文庫本は現代に生きるマタギの苦悩譚、「相克の森」熊谷達也・270gを持ちこんだんですが、1頁も読まず(w 来年はもっとカンタンな小説にしよう。

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朝食。ごはんが美味くて、計3杯。ようやく食欲が戻ってきたようです。
昨晩はコミュニケーションをとらなかった向かいに座るオジサンと会話。「アラカン」の氏は、高校生のころから全国のユースを泊まり渡ってきたという猛者なのでした。ユースホステル今昔事情のアレコレについて、楽しく伺った。

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中村オーナー。ものすごくアクティブな多趣味のヒトです。信越トレイルのガイド業も、今シーズンは多忙を極めることでしょう。氏の構築しているご当地の観光&登山ビジネスモデルは、マーケ用語でいう「ブルーオーシャン戦略」、つまりイケイケ(簡単すぎかw)ではないかとワタシは考えます。
欲を申しあげると、ぜひ「テン泊」登山の世界も体験して、それをフィードバックしてほしいところ。宿を運営しているコレはデメリットとも取れるワケですが、2食つきの小屋泊まり山行なんざ、日帰りハイキングとレベルは一緒。数日間にわたる幕営縦走と比べたら、知識もスキルも10分の1だ。せっかく素晴らしい「素材」が目の前にあるんだから、オフィシャル・ガイドの一員として一回はキャンプでスルーハイクを行ってもらいたいと考えます。

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8:45、デッパツ。さらば斑尾山。帰路の高速は空いています。13時ごろに帰宅。
今年の夏が終わった。

書き上げたのは、翌年の初夏になりましたが(w

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信越トレイル・いくつもの峠越えの山旅(5) Day5

2013/05/18(土) 15:43:42

まず、最初に。加藤則芳さんが亡くなった。
4月の中ごろ、この記事で気づいた。ところがその訃報は、新聞などのメディアには数日遅れの4月23日に載ったのだ。「ALS」という重い病に倒れたことから、何かしらの配慮が講じられたのだろうか。

以前にも書きましたが、踏破してすでに半年以上も経っているのに未だレポートを書き続けているワタシの「信越トレイル・キャンプでスルーハイク」という昨夏のイベントは、加藤さんの大部の本を読んだコトが、これを「歩いてやろう」と考える直接のキッカケだったのです。
多くのアウトドアズマンに影響を与えた氏のダイヤモンドは、ヘリクツでカッチカチに硬化していたワタシの登山観に対しても、みずみずしい意識改革とも言うべきものを及ぼしてくれたと感謝します。

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◆9月6日(木)
3:45、起床。きょうも元気に夜明け前から熊本ラーメンをすすります。トッピングとして生にんにくのチューブを2㌢ほど、「コイツは素晴らしいアイテムじゃん」と絶賛した無印良品の個包装うずらのクンタマ、そしてアスザック・フーズのフリーズドライ・キャベツ。さらに白炒りごまとあらびき黒コショーで味つけした、定番ラード仕様。マー油という隠し味がキモである「熊本」系は、ともかく好みなんです。
やっぱり「朝ラー」という流動食は喰いやすい。そして夏場はハードなその日の塩分摂取も十分にできるワケで、じつに理にかなった朝食と言えますまいか。

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きょうは、勝負の日。歩行距離が20kmと長いからです。高低差は大したコトはなさそうだが、水の補給ポイントが1ケ所もない、稜線上の一本道が待っています。さらにお天気はドローンと垂れこめて、間違いなくコレは降られる。いや、涼しくなって歩きやすいわな、なーんて考えていましたネ、このときは。

せっかく充実したトイレがあるんだからと「キジの出」を待ったので、出発が少し遅れた。その間に撮ったモンベル・ツオロミーブーツ。きょうも苦しめられるのだろう。それにしても昨日は靴に水がかかる機会などなく、また午後の数時間は天日で干していたにもかかわらず濡れているという不可解さ。コイツ、絶対に捨てる。

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6:00、デッパツ。昨日は関田峠から舗装路の県道を下ってきたので、本線に戻るこのアクセス・トレイルは初めて。こりゃ、かなりの急登ですな。大汗かきました。

ただし、出がけにアミノバイタル2200をキメたので、ペースは快調。ドーピング万歳。ありていに申しますと、コイツを摂取すると休憩を取ること自体が少なくなる、わがボデーにはそんなメリットがクッキリ現われます。
いやその。例年のワタシだったら30分歩いて10分休む、なんつー「超」牛歩なんですがネ、この旅では1時間も歩き続けられるコトが多かった。それもこれもアミノバイタルのご利益だと言えるでしょう。
初日は行動が短かったから、2200を1ショット。2日目は2200と3600。3日目は2200を2ショット。そしてこの日は、2200と3600をキメました。バリハイ♪

最近の「中高年」登山者における3種の神器とは、ダブルストックとサポートタイツ、そしてこのアミノバイタルだと言われます。サポタイだけは「ワシが似合うワケないもんね」というハードボイルドな美意識(?)から却下し続けていますが、それ以外の2アイテムについては疑いの余地なく、もう、ドンズバ。

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6:23、トレイルの本線に出ました。ここらへんはまだ歩きやすい整備された道ですが、この日の行程の3分の1あたりにある「牧峠」を過ぎると、開削されてまだ間もないためなのか、歩きにくいハードなシングルトラックへと豹変します。

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6:50、梨平に到着。進行方向左側の日本海側でゴロゴロ遠雷が鳴っていて、ガスにも包まれ、いやしかしヤル気十分だなぁ、などとと思っていたら、ついにココで降りだしました。

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雨は間もなく本降りに。さらに加速して7時半から9時までの間が、暴風雨。
これが君、ビックリするぐらいの「嵐」だったんですよ。風は進行方向の左側、つまり日本海から吹きつけてくる。「ゴオオォォォ」。上空からは凄まじい唸り声が轟く。ひええ、恐ろしい。

こんな荒れ狂ったお天気に遭遇するのなんて、久しぶり。まあ、日本海のごく近所に立ちはだかる1,000㍍級の屏風の連なりですから、そりゃまあ、冬にはドカドカ雪を落とすし、夏には雷(らい)さまをビシバシ連れても来るだろう。

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牧ノ小池。今こうして撮影した画像を見ると、まったく長閑(のどか)なムードだからムカツク(w まあその。ホントに荒れ狂った状況下では、カメラをショルダーバッグから取り出すのも無理ですからね。

ただし、このエリアは広葉樹林帯で、また背の高い灌木が両側を囲う、そんなシングルトラックが続く。だから上空では「ドオォォォォ」と恐ろしげに吠えているのに、トレイル上で風はほとんど吹かず、ただバケツをひっくり返したような豪雨がドバドバーッと降り続いていました。
晴れていれば「眺めの利かない、暑いだけのトレイルじゃんか、まったくヨ」と不満たらたらに違いないこのエリアですが、このときばかりは「ラッキー」と感謝するほかない。

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牧峠を通過。豪雨およびガス。あまりにもファンキーな状況なのでアドレナリンが噴出するのか、歩行ペースはワタシにしては悪くない。峠を過ぎてスグ先にあった、落ちつける場所にて大休止。8:00から、25分間。

さて、今回の山行での「神」アイテムといえば、間違いなくアウトドア・リサーチ(OR)の「シアトル・ソンブレロ」ハットです。この一ヶ月前に閉店セール中の「A&F」銀座店で、定価のピッタリ半値(3,400円くらい)でゲット。小躍りしたモンです。もちろん「この色しかありえない」というブラウン。
コイツはゴアテックス製だから、とりあえず雨に濡れない。しかしながらムレない、とまではいかないのがツライところ。というのも、ワタシは頭皮からも滝汗が出るから。しかし、日よけとして優れるカッチリした造りの幅広のツバで、けっこうな雨の中でも、カッパのフードというウザったいモノでアタマを覆わなくてOKなんです。これは今まで知らなかった開放感だ。ロング&ベストセラーであることもナットク。

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ついでに、この山旅でのウェアについても述べておきましょう。

もう4年も履き続けている「サウスフィールド」のストレッチパンツは、いつもどおりだ(w 買い替えたいんだがネ。
下着のおパンツが、今回は「困ったちゃん」化しているアルペン製のPB。数年間も使ってきて、股ズレになったコトは無かったのに、残念。シームレスな登山専用おパンツを改めて探そう。
とり急ぎ、おパンツには応急処置を施してある。といっても、アルペンのボクサー・ブリーフの両下端、生地を折り返して縫いつけてある一周を、すべてハサミで切り落としたんです。この「段差」が股ズレの元凶なワケだから、、捨てるつもりでチョン切った。このヤブレカブレは効果あり。きょうはズブ濡れですが、痛くはなかったからね。

靴下は「スマートウール」のアドレナリン系を、計3足。この日の雨で靴の中はズブズブになって、休むたびにブーツを脱いでソックスを絞って履き直していました。くるぶしや足の裏なんか白くフヤケているってのに靴ズレにならなかったのは、さすが。

シャツは、今回はじめて投入してみたユニクロの「ドライEX」というスポーツ用丸首の長袖Tシャツ。1,990円。ネットでの良好な評判を知って、試してみたワケです。
新品だからってコトもあろうが、コイツは、じつに優秀なシャツでした。まず、乾きが早い。20分も「着干し」をすればスッキリ乾く。風のヌケもよく、涼しい。抗菌仕様で、滝汗をかいてもマッタク臭わん。すばらしい。どっかの山ブランドのロゴをプリントしたら、上代5せんえんで売れる逸品と言えるでしょう。

ワタシ、夏山では今まで半袖のTシャツで通してきましたが、初めて長袖を試した。じつは「長袖のほうが汗を吸うし日よけにもなるから涼しい」という誰かの主張を取り入れてみたワケです。
まあその。こんな低山では、やっぱり半袖のほうが良かったかな。短パンと合わせて。でも、袖をまくりあげて「暑い暑い」とボヤくようなコトには、ならなかった。やはり効果もあったんでしょうね。
ただし首がスレて少し痛くなった。というのも、最近はモンベル・ULショルダーポーチを「サコッシュ」としてタスキがけに装着して、地図・カメラ・手帳・ペンなどを入れているんですが、このTシャツの台襟が低いから、ベルト部分が首に当たるのだ。
ちなみに、それまで愛用してきたモンベルのウィックロンTシャツは、そんな事態にはならなかった。ただし濡れたらウィックロンは乾きが悪い。ま、一長一短ですかね。

上の画像は、幹を流れる雨水が美味そうで、両腕で抱きついてチューするようにすすったブナの樹。ノドは乾いていたワケです。イノチ救われるような恵み。
帰宅してからPCでこの画像を確認したら、おや。森のクマさんによるマーキングが。そういえば5日間の山旅で、本日だけはクマ公のクソを見かけなかった。

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さらに今回、「よもや万一」のために初めて装備した下着が、モンベル「ジオラインLW丸首シャツ」。アウトレットで少し安くゲットしたモノで、キャンプ時の長袖シャツの代わりとして、また、風雨に打たれながら行動するときに着ようと持ってきました。

そうして、まさに今このときが、「よもや万一」なのだった。
上半身はゴアテックスのストームクルーザー・ジャケットとドライEXシャツの2枚ですが、もちろん内側はズブ濡れ。あるまいコトか体感気温はビシバシ下がって、「寒い…」レベルに突入した。
驚きましたね。連日の炎暑のヤブ山とは、サマ変わり。ショルダーバッグにブラさげているスント・コメットは気温20℃を指す。荒ぶる日本海沿いの稜線よ。バケツをひっくり返した豪雨が続き、遠くでは雷鳴も聞こえる。「こりゃ、ジオラインを着ないと」。
ところがしかし、このときのためのシャツは、ザックのいちばん底に厳重に格納されていたワケです(w ウカツであった。取り出そうとしたら、すべての装備がズブ濡れになってしまう。「うーむ」。
結局、シャツを引っぱりだすのは、あきらめた。寒いのは、ひたすらガマンしようト。ただし、加齢による「ヤングなころとはカラダが違う」コトは理解しているつもりのワタシ、雨に濡れないように背中を丸めてレーションの袋を開け、腹にアレコレ詰めこんで熱源をチャージ。さらにアミノバイタル3600も追加でキメ、この状況とキッチリ対峙しました。

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10時ごろ、「幻の池」をソソクサと通過。これでもペースは良好。

ところで、とって付けたようなこの名前、じつは面白いエピソードを持つのです。ココに「池」があるということは航空写真でわかっていた(それでも昭和末期とかになって、ようやくでしょうが)のだが、実際に登山道を切り拓いていって初めて、人々は「マボロシ」であった天然のこの池と対面できたのだと。
関田山脈80kmを横断する道、つまり峠越えルートは古来より16本もあるってのに、21世紀になったころ、ついにこんなステキな出合いを果たすとか。最高ではないか、この秘境っぷり。
ま、ワタシも事後に知ったんですがネ。ロマンあふれるこのエピソードは、くだんのクソ高価いガイドブックなどには何ひとつ紹介されておりません。ガイド登山でないと教えてくれない「とっておき」のネタ扱いなのかも知れん。セコい(w

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ついに雨雲は消え去りました。遠くに望める山は、米山(993㍍)。

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伏野峠の手前で、12時すぎから40分間ほど、日本海側の展望がステキな場所で大休止。

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崖のようなピークは、菱ケ岳。

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ツオロミーブーツの中もソックスもズブ濡れ。足はフヤケとります(w オマケに本日は左の小指も当たって痛い。帰宅してから、この爪が真っ黒に変色しました。ま、靴ズレにならなかったのだけは、めっけモンか。

そういえばトレイル上には、信越トレイルクラブによって道標が良く整備されています。そうして、次のポイントまで、けっこう細かい距離を示している。「0.9km」とか(w キッチり正しい表示なんでしょうが、実際には「それ以上なのでは?」と疑っちまうような長さを感じていました。
「牧峠」から北側の「延長された30km」のトレイルは「倒木またぎ&くぐり」というアスレチッキーな箇所が多く、たまにアタマをぶつけて「うぎっ」とか吠えたり呪ったり、そんなバイアスがかかるから、だったのでしょうか。

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13:00、伏野(ぶすの)峠を通過。いつもの簡易舗装の横断林道なんですが、特徴的な名前で記憶に残るネ。

それにしても、この日の行程20kmには、「峠越え」が多い。牧峠、宇津ノ俣峠、伏野峠、須川峠、野々海峠…。シンプルな一本道トレイルで、アップダウンが大きいものは無く、チョコチョコ細かい登下降の繰りかえしの連続だから、逆に、これらが印象に残るのかも。

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結局、「信越トレイル」のスルーハイクとは、ピークをつなげた縦走というよりも、16ケ所もある信越国境の峠たちをマーキングする縦走なのではないか。
そうして「峠」は眼前に立ちはだかる屏風の弱点、低いポイントを突く地点なワケですから、トレイルから峠にブチ当たるときは、必ず標高を下げる。下った場所が峠になるのが、いつものワタシの山系バックパッキングとは「違っている」感をいや増す。
いくつもの、峠越えの山旅。やってるコトは登山なのに、フツーの登山とはナニか違う(w うむ。ウォーキング・ハイもあるんでしょうが、だんだん愉快なキモチになってきました。

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須川峠(13:40~14:00)を越えると、また植生が変わってきました。

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暑くもなく寒くもない歩きやすい状態ですが、アップダウンはハゲしくなる。足指は痛いし、いいかげん疲れてもきました。
明瞭なシングルトラックではあるが、それにしても取って付けたようなトレイル。これからハイカーたちに踏み固められて、登山道らしく育っていくことでしょう。

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野々海峠の手前には、すばらしいブナの巨木エリアが拡がっていました。ようやくフラットになったトレイルはその間を縫って進む。いやしかし、眼福。そしてまた、わがボデーにもブナの林は恵みをくれる。風が抜けて、涼しく感じられるからサイコーです。

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14時、野々海峠に出ました。ココからはトレイルを外れます。舗装林道(県道348)で野々海池をトラバースし、キャンプ場へとショートカット。

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舗装林道が、やはり歩くたびに両親指にガンガン衝撃がきて歩きづらい。そして長い。2.4kmもあったんです。
しかしながらこの周辺にも、凄まじいばかりのブナの巨木たちが林立しています。壮観だ。距離感が狂ってご理解いただきにくいでしょうが、この白いブナ、それぞれの直径が1㍍は優にある。じつに荘厳な森です。

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16:35、野々海キャンプ場に到着。やれやれ、疲れた。
ココは、管理人は不在ながら従来からある営業キャンプ場を転用したものだから、昨日のデラックス・レベルとまではいかないでしょうが、良いトコロであろうと期待していたワケです。
後ろの木造小屋は用具入れとなっていて、鍵がかかっている。

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テキパキと設営。サイトは、ゆるい斜面のひな壇状。丸太で区画を仕切られた、適度にそれぞれが離れた優れた設計です。ところがキャンパーが使った形跡があるのは、いちばん下の3面のみ。それ以外の10数面については、草ボーボー状態。何ひとつ整備はされていない。
おそらくココは1990年代半ばのオートキャンプ・ブームのころにオープンした、林間学校あたりをターゲットにした公営の「飯盒炊爨場」だったのではないだろうか。そしてブームも廃れ、「グリーンパル」のようなライバルにお客を奪われて朽ちるままだったのを、今回これ幸いと「再活用」させてきたというムードです。

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次は、水汲みです。コンクリで造られたバーベキュー炉つきの水場の蛇口は、一滴も出ない。
信越トレイルクラブのオフィシャルHPには「水は出ない」と書いてあったらしいんですが、ワタシは気づかなかったなぁ。それどころか、この水場が「死んだ」のが「3.11」の余震のときであったという情報も後に知りました。これがナニを意味するか、お分かりになるだろうか?

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なにやら案内書きが水場の壁に貼られています。事前に読みこんできた、前年秋の貴重なスルーハイクの報告であるシェルパ斎藤氏の記事では、「すでにキャンプ場の営業も終了した時期であったから」、飲用水はこの「水場1」で沢水を集めたと書いてあった。しかしながら、「おいおい。きょうはまだ、9月6日なんだけどな」。ココでワシのハートに、怒りが小さく着火。

そして「水場1」を探します。ところが、キャンプ場から出て水場に行くルートを、ナゼか見つけられない。「そんなバカな。そりゃ、疲れてるけどサ」。イラつく。何回も試みたが、この日は結局わからずじまい(汁
じつはこの出口、翌朝に「発見」できました。整備されていないから、濃いブッシュが「水場2」とか深坂峠へと続く湿原への踏み跡と、そしてごく小さな木製の道標を覆い隠していて、ワタシには見えなかったというオチ。ファッキン・シット。

仕方なく「水場2」へ、水筒3ケ(計5.7㍑)をブラさげてビーサンで向かいます。ココは池沿いに歩いてきた舗装路の横で、先ほどその沢音には気づいていたんですが、けっこうな段差を下るみたいでスルーした場所。
水場の1と2、じつは同じ細い沢なんですが、ちょっとぬるい水で美味くはない。とはいえ、メンドーだから濾過なんかしない。

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このあたりで、怒りは拡大。「ところで、便所は?」。案内表示がマッタク無いんですが、おそらく道路をはさんで少し離れた広場にあるコレだろうと推測。まるでマグリットの絵のようなサイケな写真になっちまったが、これまたこの建物の周囲が草ボーボーで、近づけないのです。
え。いやいや。中を覗いてもいません。ウジが大量に蠢いているクソ柱がありそうな恐怖の汚便所なんか、見たくもないよ。クソしたくなったら、この広場の端っこにハンディスコップ(ちゃんと装備してきた)で穴掘ってヤルよ。

よく理解できた。

この「野々海キャンプ場」という営業施設は、今年(2012年)は何ひとつ場内の整備やメンテナンスを実施していない(失礼。ひとつだけ、あった。沢の場所を指示した貼り紙をキレイに取りつける、という大事業がw)。つまり廃・キャンプ場と同然。このわずか2ケ月前より「キャンプでスルーハイク」を解禁はしたものの、テン泊ユーザーのことは完全に放置している。

その上で、キャンプ料金ひとり1泊につき1,000円という「超」高価格を、事前に振込みさせるワケです。山岳幕営料金の相場と言えば、北アや南アルプスの有名どころが5~600円だから、これ、ボッタクリと断じていい。
西奥秩父の「富士見平」小屋の幕営地(2013年のGWに張った)が同じく千円と高額のクセして臭気プンプンのボットン便所がキョーレツだが、天然の美味い水場はメンテしてあるし、なにより小屋管理人が常駐しているからね。「ノノミ」の放置プレイとは比較にならない。

もちろんワタシが振り込んだキャンプ料金の合計「4千円」ってのは、信越トレイルクラブの運営管理やら、メンテナンスに参集する多くのボランティアたちに向かうものであるコトは、重々承知しています。
だとしたら、その管理・整備のベクトルってヤツを、ほんの少しだけでも、この廃材置き場と同然の野々海キャンプ場に向けてもらいたいと切望する。新たな人種「キャンプでスルーハイカー」を呼びこもうと、メディアを通じて働きかけてきたのは、運営側ではないか。

困ったことに「ノノミ」というのが、じつに絶妙な立地にある。ほとんどのスルーハイカーが北上ルートを歩くワケですが、どんな日程で歩き通そうにも、ココで1泊して行程を区切るという要所になる。この前後に水場を持つ平坦地は無いからです。
そして、ほとんどのスルーハイカーは「光ケ原キャンプ場」に前泊してくる。別の事業主によるシッカリしたアメニティ&サービス(あくまで信越トレイルクラブ直轄の野営地と比較して、なw)から急転直下、落差マックスのノノミちゃんに来てみて初めて直面する、そんなワケだ。大自然の美しい光景が展開する中にあるから、余計にハラだたしい。

これはやはり、テントを背負って山旅をするのは、ビンボーなヤングたちであるという時代遅れとしか言えない考えを持つ、幕営縦走登山をしたコトもない門外漢が、運営側に連なっているからなのだろう。
トレイルとそれを取りまく「山麓の宿」たちが共存共栄する、自然保護運動から発展させた新しいアウトドア・ビジネスモデルを新たに構築した実績は、素晴らしい。しかし、そのときに「幕営縦走」の楽しみ・喜びという「登山界」では当たり前(明治時代からレジャーとしての山登りとは、つまりキャンプ山行だったワケだから)の視点を、誰ひとり考えられなかったってだけではないか。
それにしても、スジガネ入りのバックパッカーだった故・加藤則芳さんも、このあたりまでは土着の住民たちに対して意識改革を及ぼせなかったんだろうな。残念でならない。

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それにしても、ここまで「事実を正直に」記した(ワルクチともいうw)ネット上でのレポートは、2012年シーズンでは見られなかったナ。ふむ。秋のサラサラ歩きやすい季節には、ワタシのようなドロドロの不満を抱くコトもないのかも知らん。
しかしながら、今年は「ロングトレイル元年」なんです。雑誌などメディアでもビシバシと各トレイルの紹介が発信されている。そんな後続するヒトたちの目に、日本を代表するロングトレイルの最終キャンプで夢を結ぶのがこんな廃材置き場だという事実は、どう映るのだろう。

【追記:2013年7月2日】
三鷹のハゲの人のお店で講演まで行った「信越トレイル」第一人者「gogreenlift」氏のツイートを引用。これ、2013年の記事ですからね(w まあその。「こんなの1年前に終わらせとけよ、阿呆」というべきごリッパな運営スタンスに、失笑を禁じ得ない。(追記ここまで)

いやしかし、まあ、アンタもそんなにイラカッカしてないで、ふたたび今年もスルーハイクをしに来りゃイイじゃん、なんつー懐柔もあるかも知れん。イヤだよ(w ワタシの年一回の「ひとり夏合宿」は予定が詰まってるのです。老いさき短いワシにとっての貴重な次回とは、別の山々が待っているからだ。

今回はキャンプが解禁された信越トレイルを「初モノ食い」するコトに大きな意味を持っていたけれど、ま、トラディショナルな「元・山ヤ」のワタシにとって、ココはやはり毛色が異なるフィールドであり、異端の属性のヒトたちが張りきって仕切っている「おニュー」なエリアではないか、そう思えて仕方ない。
だってサ、フツーの登山の世界では、山中での沢清水は必ず濾過して飲め、なんて言わんからナ(w そんなヤツは、ヘタレ野郎と蔑まされる。そのクセ、信越トレイルのナマ水で体調を悪化させた事例というのは「聞いたことが無い」と、その第一人者・gogreenlift氏がツイッターで回答してきた(注:2012年11月のこと)んだからヨ。

これから歩こうとしている読者諸君、浄水器は持っていったほうがイイが、沢清水を「必ず濾過する」なんてお節介は、山のシロートである「ULハイカー」どもの妄言だから、気になさらぬよう。ワタシのデリケートでナーバスでナイーブでセンシティブなハラが、問題ナシであると証明します。

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そういえば、きょうは一日、誰とも会わなかったな。これは爽快。
サイトは相変わらずアリさんがいっぱいです。夕焼けを愛でながら、残り少ないバーボンの水割りをすすり、ナッツをつまむ。

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なんと、パウチ入りの焼鳥をツマミに喰ったら、腹がふくれて晩メシ要らずとなりました。むーん。きょうは10時間&20kmも行動してきたのに、どうしちゃったんだろう、ワタシのボデーは。マサカ怒りで満腹とか、そんなマンガみたいな原因じゃないだろうが(w
20時前にシュラフに入りました。気温は18℃。ちょっと寒かった。

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信越トレイル・いくつもの峠越えの山旅(4) Day4

2013/03/22(金) 23:59:14

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◆9月5日(水)
4:25、起床。おおっと、寝坊だ。
いったん3時に目が覚めて「あと小一時間…」と寝直したら、こうなった。ワタシにしては珍しいコトですね。

コーヒーを飲んでから、マルタイの博多ラーメン・クンタマにんにく入りを喰う。ところが、フリーズドライのキャベツを入れ忘れたことに後から気づいて、ボケを実感。まあその。疲れているんでしょう。カラダが重いムード。

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今朝はキッチリと自然が呼んでいる。2日ぶりです。ボットン便所はソコソコきれい。
そして、デッパツしようとしたら気づいた。「パックタオル・パーソナルM」を、テントの中に干したままパッキングしてしまったコトに。むーん、ボケを実感。朝からゲンナリしつつ、パッキングをやり直しました。結局、6:15にデッパツ。

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ミヤマホワイトシラネソウ、可憐。

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出だしは、このような山脈中腹の原生林を切り拓いたブッシュゾーン。ちょっと蒸す。この状況は、すなわち害虫どものパラダイスなのでした。メマトイはウザいし、ヤブ蚊も多い。おちおち一本とる気分にもならないシングルトラックが続く。

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7:10、「1本目の沢」に到着。おお、あふれるばかりのこの水量よ。つべたい水をガブ飲みする。ついでにアタマを洗って歯もみがく。こっそりケツも洗う。爽快!

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幸せなキモチでしばらく歩くと、2本目の沢が。ステキ。
オフィシャル系の情報では、これら滔々と流れる沢清水も「濾過がマスト」と書いてあるワケですが、そんなの不要。あらためて、えらく繊細にして過敏であるわが腸にご機嫌伺いをしてみましたが、「無問題」と。

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7:50、開けた場所に出ました。戸狩温泉スキー場のリフト終点で、「仏ケ峰登山口」という地名。スルーハイカーにとっては違和感を覚えますね。
ココから少し下ったところにオフィシャル・キャンプ場の「とん平」がある。ほとんどのスルーハイカーにスルーされるに違いない、悲しい立地なのだった。ちなみにコレ、「とんだいら」と読むそうですが、ヘイユー、そいつは無理があるんじゃね?(w

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雲の向こうに野沢温泉の背後の山脈が。
朝方はガスっていましたが、次第に明るくなってきた。しかし地べたはアリさんだらけで、腰を下ろす気分にはなれない。

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トレイルは関田山脈の主稜線に戻るべく、スキー場の山腹を登り始めます。

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直射日光にアタマがクラクラ。ガチな登りで高度をグングン上げていく。仏が峰までの標高差は、約350㍍。

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稜線に出ると、一挙に涼しくなるブナ林が。

このころに気づいたのだったか、信越トレイル各所に点在するブナ林の中を歩くと、急にヒンヤリと感じられるんです。いや、樹上が青葉におおわれているからってのは当然ですが、ブナ林は、風が抜けるという印象が強かった。見た目にも美しいから、モアベター。もしかすると、ブッシュが育ちにくくなる生態系を持つのかも。

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手前がピークの場所がイマイチ判然としない「仏ケ峰」(1,140㍍)あたりかと。ユニークな山名ですよね。右奥は「鍋倉山」。関田山脈の重鎮的なピークです。

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ブナ林はますます壮麗なムードを発散させます。すっくと佇立するブナたち。これは美しい。これは素晴らしい。ココに住んでもイイ(w

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とはいえワタシのコンディションは、イクナイ。あいかわらず小さくなった登山靴に足指が当たって痛くるしいし、両股の付け根の股ズレもひどい。
そういえば、きょうはノーパン喫茶で歩いております。いやその。おパンツ脱いだら幸せになれるかと、もう4年も使い倒している「サウスフィールド」のストレッチ登山ズボン1枚で勝負中。ところがコレ、滝汗カキのワタクシの汗がそのまま下半身へと流れ落ちて、えらくキモチ悪い。スマートウールの靴下が濡れて靴ズレになったらかなわんから、裾をまくり上げて歩いているワケです。いやはや。

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鍋倉山への稜線を北に向かう。これまでほとんど利かなかった、新潟側の眺望も広がりはじめました。

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ソヨとも風の吹かぬ日照りの稜線トレイル。
半年も経ってから記事を書いているんで、ココがどこらへんなのか、すでに不明(汁 いや、どのみち暑くてシンドくて、ボーッとした稜線歩きだったと思う。
メモでは「小沢峠」に9:45着で、木陰を見つけて25分間も休憩している。そういえば、アリがたくさんいて座る気にもならなかったのが、ココだったっけか。

そして、ドコでだったかは失念してしまいましたが、本日もクマ公のウンコを見た。5日間の山旅で、このマーキングをトレイル上で見なかったのは、この翌日の4日目だけ。あまつさえ最終日にはクマ公そのものと接近遭遇しちまう、という密接な関係を構築できた(w

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ドピーカンで眺めの良いポイントが多いのは、一服の清涼剤と言えます。これは信州側、野沢温泉のあたりか。

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トレイル上に、誰かのナルゲン水筒が落ちていました。「あらま」。とりあえず、飲んでみる。ホット・ウーロン茶でした(w なかなか美味いじゃん。
それにしても、コレを落としたヒトは悲惨だったろうな。まあ、ワタシもブラ下げていたミニタオルを紛失したから偉そうなコトは言えませんが、ザック横のポケットに大切な水筒を「外付け」する気には、なれないな。3口ほどいただいて、次の誰かのためにとキッチリ安置する。

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12:25、鍋倉山(1,288㍍)に到着しました。気温は26℃。眺めは利かず、オマケにハエがワンワン飛んでいるという、情緒のない関田山脈の主峰。

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すぐ先にある黒倉山(1,247㍍)へと下っていきます。単調な一本尾根だった稜線ルートは、ここで逆「Z」字を描く。豪雪ゾーンを象徴するひん曲がった木々は歩くのがメンドくさい。また、この濃いナナメの樹影に惑わされて、一瞬、ルートが判然としなくなって少しアセりました。

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黒倉山頂からは越後側が望めました。日本海は霞んでいるものの、おや、向こうの尾根中腹に見えるミドリ色の建物は、ワタシのきょうのお宿なんじゃなかろうか。

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黒倉山から関田峠までの直線のゆるい下り道は、ラード的信越トレイル3本の指に入るココチよいトレイルでした。

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道東っぽい牧場風景がステキ。

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このあたりでシニア夫婦の日帰りハイカーとすれ違いました。関田峠にクルマを停めて、鍋倉山をピストンするんでしょう。
本日は5日間の山旅のちょうど中日なんですが、なんと、この夫婦がトレイルを歩いているときに出会った「最後のヒト」(w 結局、信越トレイルで行動時にワタシが会ったヒトは、合わせてたったの3名だったワケです。

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いやしかし、いくらまだマイナーな登山対象とはいえ、いまどき主脈の縦走路でここまで静謐さを味わえるというコトは、ものすごく貴重だと言えるのでは。ヒト臭い山にはガマンならなくなりつつある老害のワタクシですが、これは「大あたり」の山行と言って良いのではないか。

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14:10、関田峠に到着。最高のトレイル、最高のお天気なのに、足指も股ズレも痛い。なんという「ツンデレ」状態かと(汁
きょうのキャンプ地は、山脈の中腹にある「グリーンパル光原荘」というアウトドア・ビジターセンターの一角に設けられた「光ケ原キャンプ場」。ココはオフィシャル・キャンプ場5ケ所のうちで唯一、信越トレイルクラブの運営ではない「ありもの」の借用となります。

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で、ココから信越国境越えの立派な舗装路・県道95号をトボトボ下って、ショートカットします。トレイルに数百㍍ほどの未踏部分が出るワケですが、ワタシは気にしませんね。

ところが、舗装路歩きってヤツは痛い足指に衝撃がビンビン響く。まだダートのほうがマシだったかも。いやその。あらゆる種類の道に踏み跡を記すという、今回のワタシのテーマにピッタンコな苦行ではある(w
そうして風が抜けない印象の信越トレイルにあって、ここは爽快な涼風と絶景がヘロヘロのワタシを癒してくれました。かえすがえすも画像のフレームが「真四角」だったってのが悔やまれよう。だって「横長」のトリミングだと思いこんで撮影してるワケだから。

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14:45、グリーンパルに到着。標高はちょうど1,000㍍。2棟ある建物は、かなりの大きさです。これまた広大な駐車場には、観光客のクルマが数台。
そして発見。ワタシは見つけてしまった。「自販機が! コーラが!」。これは何という砂漠のオアシス。狂喜しました。

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受付けを済ませて、さっそくコーラ痛飲の儀。ふるふる震える指で120円也を投入し、プシッ。
キンキンに冷えた炭酸のノド越しのあの爽快さに、ワタクシ、天を仰いで白目をムキました。

下界では「スカスカした味」という低評価を与えた「ペプシ・ネックス」ですが、いまは天女の羽衣のごとき至高の存在と言っていい。む。なんか引用法が違う気もするが(w それにしても3日くらいでココまで清涼飲料を渇望するっての、以前は無かったような。まあその。プチ贅沢なブタ野郎になり下がっちまったってことですか。

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このキャンプ場も、人工的なものなんでしょうが、やはり池の畔にある。「ドコに張ってもよろしい」と管理人に言われたので、テーブルの間の芝生の上にキメました。
ちなみに本日の宿泊者は、ワタシただひとり。管理人は常駐とのことだから、このだだっ広い光ケ原高原には、ユーとミーの2名のみ。うむ、気分はグレイト。

ついでに申しますと、光原荘には食堂がある。つまり冷たーいビールを売ってるんじゃないか、ビール飲ませろビール!と管理人に詰め寄ったら、オッサンはフフンと片頬で笑う。じつは先ほど営業を終えて、食堂のオバさんは帰宅の途についてしまったと。ぐぬぬ。ナニもそんなに早仕舞いしなくても(汁

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手前はバーベキュー炉が外周を取り囲む、立派な水場兼炊事棟。右奥に見えるのは涼しげなバンガロー。左奥は、ものすごく立派な造りのトイレ棟です。ああ。豪雪エリアだから、冬場に雪かきしなくても潰れない耐雪設計なのかも知れません。内部も掃除したてらしく、じつに清潔。洋式の水洗でトレペもあるし、これはココロおきなく大キジを打てるというもの。

トイレの向こう側にはファイヤープレース広場もありました。ココは風が抜ける涼しい場所みたいだから、ヤングさんたちは気分のいいアウトドア体験ができるでしょう。加えて、水たまりみたいな池の際なのに、ナゼか蚊もハエもアブもいないというのも高評価です。

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というワケで、ココ(だけw)は「一泊千円」の価値をキッチリと感じられます。まあ、世間相場で考えれば「せんえん」も徴収してこの管理レベルってのは、じつは当たり前。信越トレイルのココ以外が「ダメダメ!」だというだけなのだ。
そしてこの翌日に「野々海」で味わわされた、荒れ果てた放置キャンプ地(「キャンプ場」という単語を用いるのすら、おこがましい)のあまりのいい加減さに、ココとの激しい落差に、運営する信越トレイルクラブに対する怒りはフットウしたワケですが、それはまた後ほど。

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極上の無風快晴っぷりに、誰に見られることもないだろうと、ワタシは赤裸々全裸々になってカラダとアタマを洗いました。爽快! 
ついでにウェアやタオルなどもすべて水洗いして干す。ウールの靴下は優秀で臭くなってはいないが、長ズボンはもう、ハナモチならぬ異臭を発していました。

ひと息ついたら、ビーサンでペタペタと再び自販機まで歩き、ペプシをもう1本購入。サラミをかじり、レーション残りのナッツをポリポリつまみながらやるコークハイ。美味い。それにしてもコークハイを飲むのなんて何十年ぶりだろう。

ついでに蔵出しの「ネタ」を紹介しましょう。
なにかというと、このCMのこと。「O」社が昨年の9月末から10年ぶりに打ったこのファッション・ブランドの秋冬用テレビCM、じつは、このころワタシが所属していたある関連会社が制作したものなんです。山旅から帰ってから判ったことですが。
「真夏でも雪がある場所をロケハンした」とか、出かける前に聞いてはいたのだが、この山旅を終えた後で試写を見て、担当の営業(ワタシの向かいの席だった)が「撮影地は長野と新潟の県境」と説明したことから、ピンとキタ。「これ、もしかして関田山脈?」。
ビンゴでした。雪のある場所は関田峠のあたりだし、かわいいパラシュートは、まさしくココ「光原荘」の広い駐車場に設営して撮影した、と言うんだから。いやしかし、世間は狭いモンです。

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石原さとみが一か月前にココに来ていたのなんてツユ知らぬワタシは、夕景を眺めながらウォークマンで好みの音楽を繰りかえし聴いていました。この曲この曲です。
フランソワーズ・アルディは、もう300回くらいは聴きまくったナゼか魔力のある歌。そしてオスカー・ピーターソンの粒のたったピアノの丸い音色が最高なコレは、ウッドベースのボウ弾きを含めてクラシカルなアレンジがツボにハマって、CDを借りてから2ケ月もしないのに100回近く聴いていました。
で、山旅の直前、この2曲のコード進行が「同じじゃないか!」と気づいてテレコでさらに聴き続けていたんです。どうやらラード的「必殺のメロディ」、らしいのだ。
石のテーブルの上に腰かけて(地べたにはアリさんがいっぱいだったから、仕方なく)、何回目かのこの曲にウットリとしていて、ふと気付いた。真後ろに老人が立っている。「おわッ」。

えらくビックリした。まったく気づかなかった。「どなたさまで?」。オッサンは唇の端でフフッと笑い、「ココの、管理人です」と。
先ほど受付にいたオジサンは急用ができたとかで、急きょ交代させられたとの由。どうりで(w 遠まわしにビールが飲めるぜと、あれは誘っていたんでしょうナ。まあ、コークハイで乾きは癒されていたからお断りしましたけど。明日は雨ですよ、とか今晩が宿直になったコトの愚痴めいたハナシを聞かされたり、イヤハヤであります。この人も寂しいのだろう。

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そんなこんなで、晩メシを喰うころには真っ暗になっていました。メニューはアラビアータ・ソースをぶっかけたマカロニ、うずらのクンタマと鶏なんこつ肉添え。そしていつものオニオン・スープ。

20時に就寝。ところが23時前に目が覚めてしまう。明日はハードな行程だってのに、なんなのだ。
なかなか寝つけずにいたら、三たびコーラが飲みたくなっちまった(w で、コインを握りしめて自販機へとペタペタ向かう。
ワタシひとりのために、街灯を一部点けてもらっているんですが、そのとき、5㍍くらい先にある場内案内図の大看板の上に、ナニモノかがバサリと舞い降りた。
「なんだ何だ。カラスか?」。体長は50㌢近いんじゃなかろうか。エレキで照らした。そいつは、なんとフクロウだったのです。アタマが異様に大きいから間違えようがない(ハズw)。
もしかして、ワシをエサとでも思ったのか。ヤツも俺を凝視している。間合いを詰める。3㍍の距離で対峙する。ヤツも動かぬ。エレキをストロボモードにしてピッカピッカ攻撃する。それでも動かぬ。

なんかワタシは気押されて、背中を見せて去りました。「はじめてフクロウをナマで見た♪」。カメラを持ってなくて残念。しかしながら、さらに残念だったのは、自販機におカネを投入しても喰ってくれぬコトなのだった。「あああっ。なんてこった」。どうやら夜間は120円ピッタリでないとダメらしいと、帰宅後に知りました。無念よの。
戻るときにはくだんのフクロウ君も消えていた。

バックパッキングCM:2

信越トレイル・いくつもの峠越えの山旅(3) Day3

2013/03/12(火) 12:12:12

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◆9月4日(火)
3:45、起床。暑くて寝苦しく、1時間ごとに目がさめていました。信越トレイルみたいな低山ではドンズバな、モンベルのULアルパイン・シーツのジッパーを全開にして、腹にかけていただけだったんですがネ。

まずはコーヒーを飲む。朝メシはワタシの鉄板、棒ラーメン。とくにマイ・フェイバリットのマルタイ「熊本」で、フリーズドライのキャベツとうずらの燻製たまご添え、にんにく入りです。ところが、食欲がイマイチ。前日の行動食などは、例年と同じラインナップとボリュームなのに、少し残してしまった。

まあその。暑さにやられたのかも知れません。ついでに申しますと、今朝は大キジが出そうにない。せっかくキチンとしたトイレがある場所なのに。
そういえば今回のバックパッキングでは、最後まで「キジの出」がおかしかった。不定期なのだ。理由は自分でも分からんです。

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5:30、デッパツ。お天気は晴れ。ほんの少しながら、朝焼け。
今回のバックパッキングでは、毎朝、出がけに「アミノバイタル2200」をまず摂取。ヤクに依存した行動体系とも言え(w そうして午後にもう1袋、キメる。おかげで疲れ知らずでした。歩くスピードは遅いけれど。

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「沼の原湿原」へと下っていきます。各種のトレイルが交錯している、ルートを間違いやすいダンジョンですが、珍しく一発クリア。

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湿原に流れている沢の水を飲む。冷たくはないが、美味い。水質は何もモンダイないと太鼓判を押しましょう。

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ミヤマキーロイシラネソウ(w 可憐。

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遠くに斑尾山が望める、木道の手入れが行き届いたトレイルが続きます。

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この湿原は天然ではなく人造モノなのだと、事後、「みゆきの杜」オーナーのブログで知りました。「ザッツ里山」、といったところか。ちなみにわざわざ持ってきたガイドブックには、この有意義な情報には触れていない。

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花の盛りは過ぎていたとはいえ、なかなか美しく楽しいトレイルでした。

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湿原から、ふたたび舗装道路に飛び出す。ココには立派なトイレもありました。駐車場に停めたクルマから観光客が見ている。「クマよ、クマが歩いてる!」などとビックリされたかも知れぬ(w

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妙高山がステキ。「深田百名山」のひとつで、2,454㍍。今まで、このエリアの山々のピークハントにはトンとご縁が無かったワタシですが、いずれ、秋の好日にキッチリと歩き回ってみたいと思いました。

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丘をひとつ越えると「希望湖(のぞみこ)」に出ました。6:55。日中は飲みものを売っているらしい小屋も、この時間は無人。

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取ってつけたような観光地ネーミングですが、これ、本来は「沼ノ池」というそっけなさ。ただし、戦国時代の傑物・上杉謙信がらみの史実的エピソードを持っています。

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続いて「毛無山トレイル」に取りかかります。カラマツ林は涼しげだ。

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大ぶりのシダ系。

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ゆるめの真っすぐな登り道は、信越トレイルの全行程で、ラード的3本の指に入るココチ良さ。

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7:45、毛無山(1,022㍍)に到着。眺めはありませんが、15分間の大休止を。そういえば、ゴロゴロと、遠雷のオトを聞いた。

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このキモチ良いトレイルの下りでのデキゴト。左肘の少し下、前腕に「チクッ」と痛みが。見ると、クソでかいアブが一匹、張り付いている。長袖Tシャツの上から刺してきやがった。両手でストックを使っているから、こんなとき、とっさに叩くコトができないんですね。とりあえず振り払う。
刺された部分を思いきり指でつまんで、毒(あるのかな?)を絞り出しました。いやしかし、体長20mmくらいあったよ。キモい。

しばらく下ったあと、ふと左下を見たら、なんとまたアブが同じ場所に着地して今マサニ刺サントス。「どわーッ」。おじちゃん、怒ったよ。先ほどと同じヤツではないか? 似ている。とはいえアブ公の顔の区別はつかないが。この野郎を「キラー・アブ」と名付け、抹殺リストの1位に入れた。

それにしてもだ、ワシはそんなに牛歩なのか? 120cmくらいに伸ばしたダブルストックは、けっこうな振動でバタバタと突きながら歩いているハズです。それにしても、ワシはそんなにジューシーなのか? そりゃまあ、ムシどもにえらく好まれるという血液型「O型」ではありますが。

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下りきると、涌井新池。8:35着。江戸末期に造られた溜池とのこと。畑が現われ、その横に農業用水の装置が。水も出る。
喜んで飲もうとしたら、なんてこった。みたびキラー・アブがワタシを付けねらう。追いかけてきたのだろうか。ナンナノダ、この執念。よっほど飢えてやがるのか。まあ本日も、トレイルでは誰ひとり出会わないという静かさだったワケですが。

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ココからは、砂利ダートの農道をエンエンと歩くようです。前方には志賀高原の山々が高くそびえる。

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カンカン照りに、アタマがくらむ。

さて、ここで読者諸兄にゲロせねばならぬ。信越トレイル上で数少ない「オフィシャルの水場」がこのへんにあるハズですが、ワタシ、それを見つけられなかったのです。ああっ、恥ずかしい。穴があったらブチこみたい。もとへ。入りたい(汁
信越トレイルのルート標識である「[ST」印プレートが、「そろそろ出てくるハズ」と注意していたくせに分からなかった。いやしかし。

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ちょっと道東っぽいムード。このダートを下っていきます。

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すると、水の流れるオトが聞こえた。農道からは足元が悪い斜面を数㍍ほど下ったから、「コレは違うんだろうな」とは感じていた。

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7月に、英国はポーツマスの「wiggle」から取り寄せた「キャメルバック」のチューチュー式水筒2号機。長らく愛用した1号機よりも軽く仕上がっている。国内価格よりもアホみたいに安い、1,260円。おまけに「ツールドフランス」開催記念とかナントカで、送料が「タダ」。なんと剛毅なキャンペーンでしょう。
それはともかく、この水はぬるく、ちょっと濁ってもいるみたい。ま、かまわずグビグビ飲んでましたが。

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9:55、涌井峠に着きました。目の前の広い道路をダンプがビュンビュン、どえらい交通量です。これは国道292号。事後にカクニンしたら、現在の長野と新潟を結ぶメイン・バイパスのひとつと判明。

とりあえず左右をカクニン。いや、交通安全ではなく、見える範囲にコーラの自販機は見当たらない(汁 ガックリ。
まあその。フツーの登山エリアみたいに、入山したら「ずーっとウィルダネス」というならあきらめもつきますが、このように交互に情景をスイッチされちまうってのは、ちょっとアレですわね。このクソ暑い中、そのくせに自販機がない「罰ゲーム」状態だから、とくに。

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このツオロミーブーツ、とくに左足の親指と小指が当たって、かなり苦痛。歩くときには両足指を丸めるようにしているんですが、それでもキツい。で、休憩のたびに足と靴を乾かしていました。靴下が乾くと、ナゼか痛みが少し弱まるコトに気づいた。
それにしても、こんなことで歩きのモチベーションが削がれるのは、腹立たしいったらない。帰宅したらコイツを捨てて、新しい登山靴を探そう。さて、どれにしようかと夢想するのは、単調なトレイル歩きの良いネタになりました。

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ガイドブックにも登場する涌井峠のヨコに佇むステキな民家。このお宅のチャーミングなおばあちゃんの姿は見えなかったけれど、うむ、この絵に描いたような里山的アイコンは、いいアクセントになります。

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この峠から、信越トレイルはムードを少し変えてきます。エンエンと続く「ダート林道」区間、ですね。オフロードバイクでの林道野宿ツーリングを各地で行ってきたワタシにはすんなり馴染める、と言いたいトコロですが、気分的には、大汗かきかきムシに付きまとわれながら、谷底に落ちたバイクを捨てて里まで歩く約10km、ってなイメージが正しいかと(w

ともかく、顔のまん前をイヤらしく飛び回る小バエ「メマトイ」がウザいったらない。ザックのショルダーベルトにMSR「パックタオル・ナノS」をブラさげ、牛のしっぽみたいに、たまにソレをブンブン振り回しながら歩く。ただし両手にストックを持っているから、いつでもというワケではない。そのスキに再びまとわりついてくるのだ。まったく。
もちろんこれらムシどもへの対策はしています。塗るタイプの虫除け剤を、首から長袖Tシャツの二の腕まで塗りたくっているし、ハッカ液は「シアトル・ソンブレロ」のつば下側に、前2ヶ所、後ろ1ヶ所、さらにザックの両ショルダーベルトに定期的にスプレーして、「結界」を張っている。それでも何でも、夏の里山ではガマンするしかない、ってことです。

もうひとつ。涌井の峠から少し上がったところで、本日も、森のクマさんのクソを見かけました。それにしてもヤツらってば、自己主張がホント強いよね。ヒトが通行する場所にワザワザ残していくんだからね。

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東側の千曲川沿いに広がるステキな田園風景。にわかに空が黒くなってきました。

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11:00、富倉峠に到着。人力での国境越えルートとして由緒あるものですが、ロマンチックな部分は何もなく、ただの「コル」。
ザックを下ろしてレーション喰って、さあデッパツと思ったら、いきなり豪雨。大慌てでカッパ上下を着て、ザックカバーをかぶせる。えらく時間をくった。

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スコールそのものは30分間くらいでした。ひき続き、林道歩き。

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こんなカッコで歩いてます。「ソブの池」あたりにて。これを撮ったあと、暑いので雨具は脱ぎました。
真新しい「入山禁止」のタテカンには一瞬ギョッとしましたが、「ははーん。皆が皆、信越トレイルの趣旨に賛同してはいないんだ」と、妙にナットク。

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植林ゾーンを行く。けっこうワダチが深い。こんな状態の道では「わだちバカよね~。おバカさんよね~」という歌がクチをつくってもの(w お天気は良くなってきましたが、風が通らないから暑い。歩けばメマトイが、休憩するときは足元からアリが上ってくる。

さらに、きょうは「股ズレ」が発生。いや、下着のトランクスの下側の折り返し部分がスレて当たるんです。4年も愛用してきた「アルペン」PBのスポーツ用おパンツですが、こんな目にあうのは初めてヨ。
とりあえず、ジョンソン・ベビーパウダーを股ぐらにビシバシふりかけて対処。足指は当たって痛いし、股ズレでガニマタ歩きを強いられるし、イヤハヤです。

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ようやく人工的な林道区間が終わったみたい。ひとしきり、急登が続く。

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抜けだすと、黒岩山(911㍍)。13:45着。ただし地図をよく見ると、ホントのピークはココではなく、登山道を引いていない様子。対豪雪設計なのか、面白いカタチの休憩所があります。トレイル上に「屋根」のある場所って、信越トレイルにおいては「超」レアな特別待遇と言っていい。ココ、試験に出ます(w

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レアといえば、この山にはたいへん珍しい蝶がいるらしい。ワタシは見なかったけど。でもまあ、ワタシにはこの里山の素晴らしい俯瞰のほうが、ありがたみを覚えます。

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こんな緑のじゅうたんみたいな道を下っていく。いいムード。

ところで、このあとテン場に着いてから気づいたコトですが、おそらく黒岩山を発つときに、ザックにブラ下げていたパックタオルを落としてしまった。休憩ベンチの画像には、まだ付いているから、ココでザックを背負うとき、何かに引っかかって落ちたワケか。
どうしてソレに気づかなかったかというと、林道ゾーンから山道に入った途端に、メマトイなどの害虫どもが消えたから、ではないかと想像します。タオルを顔の前で振り回す必要がなくなっていたから、ですね。自然と人工の対比として、生態系の違いを思わせるネタとも言えましょう。

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オフシャルの水場「太郎清水」には、14:30着。
この直前の名も知らぬ天然の小さな池を通過したとき、後ろで「ボチャーン」とナニモノかが池に飛びこむオトが。ギクッとしました。「なんかいるゥ!」。

たまに涸れることもあるという名水・太郎清水(キャンプ場の手前5分くらいと、けっこう離れている)は、きちんと出ていました。やれうれしや。
ザックを投げおろして、まずはシェラカップで一杯。うむ! なぜかキリリと冷えていて、美味いったらない。

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写真を撮りつつ、もう一杯。ともかく大汗をかいた一日ですからね。そしてまた、水には常に気を配らないといけない夏場の信越トレイルだから、良い水をゲットできるというコトは、2倍にも3倍にもヨロコビがふくらむワケです。

ところが薄暗いこの水場は、ヤブ蚊どもの魔窟であった(汁 なんと、ユニクロ「ドライEX長袖Tシャツ」の上からビシバシ刺しまくってくる。いや、顔とか首などは虫除けを塗ったくっているからですが、刺されたワタシが「チクッ」と感じるほどの無差別攻撃を背中や肩に仕掛けてくる。
これはたまらんと、水筒3ケに計5.5㍑の水をくむときには、ストームクルーザーをきちんと着て、フードまでかぶって行いました。「ワシの血は、やらん!」。

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これが桂池。事後、「そういえば」と気づいたコトですが、今回の旅でテントを張ったキャンプ場はすべて池の畔にある、という。

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桂池キャンプ場、14:50着。
標準コースタイムより遅いと思いますが、まあ、休憩しすぎだからね。富倉峠なんて結局35分間もいたし、手前の水場でも15分もダラリンとしていたワケで。まあ、このへんがソロBPの長所。そしてパーティを組んだりしたら、こんなことはできないというのが短所と言えるでしょう。
そのくせ、アミノバイタルでしっかりドーピングはしているんですがネ。この日もじつは黒岩山で、けっこうくたびれていたからでしょうが、ふたつ目の強力バージョン「3600」をキメております。

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段違いで2面のスペースがあるのだが、「5張」と書いてあるからには、テン場は下段の芝生部分のみってコトですね。
それにしてもこのキャンプ地、ナニから転用したのだろう。もちろん新設ではない。そりゃ、見てわかります。「シェルター」と言われるホッタテ小屋は、昔は倉庫か牛小屋だったのか? 飯場ではないな。なぜなら、テントを張るのに最適な芝生の下段スペースには、庭園の築山と思える造作が施されているからです。
すると上段のスペース(土の駐車場みたいな荒れた広場。わりと新しいボットン便所もソコにある)に、民家か何かがあったのかも。

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いい天気になりました。テントを張ってから、なにはともあれ濡れモノを乾かします。湿度が下がったのか、暑いけれど快適。ちなみにココの標高は800㍍。
左前方には桂池。その間に、日中には何台かクルマが通過していった、山脈の横断路・県道411号がある。前日の「赤池」キャンプ地と似かよった、あんまり優雅とは思えないロケーションですね。

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半袖Tシャツとユニクロのステテコに着替えたら、さあ、飲酒タイム♪ 「トレッカーチェア」の座イスにもたれながらやる、ビシッと冷えた好みのバーボン「ジンビーム」の水割り。うむ、美味い!

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なんかクルマがバックで入ってきたナと思ったら、運転していたニコヤカな青年がニコヤカに話しかけてきました。「こんちわー」。おお、この日はじめてヒトとお話しできる機会がやってきた(w

信越トレイル事務局の、滝沢さん。「スルーハイカー」の率直な感想を聞きたいと、業務の合間にやってきたとのこと。というワケで、ストレートに感想を述べました。
まず、「キャンパーはビンボーではない(キリッ」とブチカマす(w いやその。これは滝沢さんにとって、とんだトバッチリというもの。申しわけない。そして、アプローチの悪さという交通手段をなんとか改善してほしいこと、水場情報を、よりくわしく開示してほしいことをお伝えしました。そうすれば、信越トレイルをスルーハイクすることの「敷居」をグンと下げられるハズ、とも。
本業は近所の農園の若旦那らしい氏は、オフィシャルサイトで、このデキゴトをこう書いています

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その後、セクション・ハイク帰りのシニア夫婦がココのトイレをチェックしに立ち寄ったので、奥さんと少し立ち話。ええ、ヒトと話しができるのは嬉しい。まだまだ、だの(w
ワタシの翌日のコースを歩いてきたようですが、改めてよくわかったコトは、彼らは信越トレイルクラブが定めた、1から6まで区分けされた「セクション」を基準に行動を切っていますが、ワシらスルーハイカーにとって、ソレは無関係であるなということ。ドコのキャンプ地まで行くか、そして水場はどこにあるか、これが行程を決定づける基準になります。

再び果敢にもチタン・シャローパンでツマミのスパムを焼き、ナベ底だけ黒コゲにさせて轟沈(汁 まあイイや、水が美味くてサケが進むし。きょうだけで4杯もやってしまいました。
サイトはでかいアリさんがワンサカ活動していて、キモチわるい。

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晩メシは、アルファ米に無印良品「奄美大島風鶏飯」をブッカケたもの、うずらのクンタマ添え。半分残してあったカルパス、そしてオニオンスープ。
ディナーとしてビジュアルがイマイチと思われるでしょうが、袋のまま喰えばクッカーを汚さずにすむから便利なのネ。この鶏飯、ちょっと薬膳くさくて味はイマイチ。

19時にテントに入り、20時、就寝。ところが0時過ぎに、オシッコで目覚めてしまう。おぼろ月で、暑い。さらにヤブ蚊がテント内に大量侵入。ぐは。池の畔だからなァ。蚊取り線香を改めて焚き、殺戮しまくりました。安心して寝入る。

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信越トレイル・いくつもの峠越えの山旅(2) Day2

2013/03/04(月) 00:11:14

◆9月3日(月)

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4:35、起床。暑くも寒くもなく快適な車内だったのに、1時間に1回は目が覚めた。まあ、5時間くらいの睡眠をゲットできたからヨシ、としますか。
途中のサービスエリアで買った総菜パン2ケとホットコーヒーの朝メシ。なんと、このPAのトイレにはウォシュレットが装備されている。善哉。時代は確実に良いほうに進んでおりますね、とくに「はばかり」系においては。
きょうのお天気は晴れ。5:15、PAをデッパツ。

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5:45、登山起点である斑尾高原スキー場のレストラン「チロル」に到着。
うしろが、斑尾山。その頂上が「信越トレイル」の起点と決められています。北米の「アパラチアン・トレイル」にならったものでしょう。
早朝の高原は涼しい。前項でも触れましたが、飯山の中心部とココを結ぶメイン・ルートは通行止め。だから新車に装備した11年前の地図のままアップデートしていないワタシのレトロなカーナビでは、何ひとつルート表示されない裏道をグングン登ってきたのです。

ココにクルマを留め置いて、バックパッキングに出かけます。ちなみに駐車の件は、信越トレイルクラブ事務局のおねいさんには電話で報告済み。ところがこのレストラン・チロル、夏季は休業中らしい。ということは5日間も無人に近い高原にマイカーを放置するワケで、荒らされたりしないか、ちょっと心配にもなる。
でも、営業中の「斑尾高原ホテル」のにぎやかで安全な駐車場よりは、登りで10分くらいの労力を短縮できるコチラが便利と、ま、悩みどころではあります。

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犬の散歩をしているオジサンと、しばし立ちバナシ。団塊世代のそのヒトは、この近所でペンションを間もなくオープンするとのこと。おそらく、コチラかと。横浜の保土ヶ谷から家族と移住してきたそうです。トシとってから寒い場所で生活を再スタートさせるのってカラダにはヘヴィと聞きますが、がんばってください。

ザックの重さは、水3.2㍑含めて、スタート時で19kg。暑くて水分をドバドバ摂取しそうだからね、多めに持ちます。マダラオ山頂に向け、6:20、デッパツ。

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スキー場の隅の砂利道をガンガン上がる。眺めはバツグンです。爽快。テニスコートの横に、マイカーが小さく見える。歩き始めると、やはり暑い。そしてなかなかの急登。大汗かきました。

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斑尾山までの標高差は、約400㍍。風が吹けば涼しい。画像の右向こうは西方向、つまり見えそうで見えてない日本海です。

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ミヤマアカイロシラネソウ(w 可憐。

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さらに登ったところで振り返る。これからワタシが歩いて行く、関田山脈を縦貫させた「信越トレイル」がクッキリさわやかに見えています。
左手前に沼の原湿原や希望(のぞみ)湖、たなびく雲を山頂にいただくのは、ルートのほぼ中間に位置する鍋倉山か仏が峰か。そこから左奥へと霞む山の連なりも、これから歩いていく道がある。
全長80kmってのは、見た目にもインパクトがありますね。

そういえば、この関田山脈の稜線上が「信越」、つまり信州=長野県と越後=新潟県の県境になるワケです。ずーっと県境を歩いていく。画像の左奥側は新潟の日本海沿いの平野で、画像右側には、千曲川沿いの飯山の盆地がある。
ここから見てとれるように、この関田山脈は、屏風のようにペラペラ薄くて長いワケです。それが海際にそびえ立っている。だもんで今どきのような冬の季節は、日本海から吹きつける風がこの「屏風」にブチ当たって、ハンパない大雪をこの山脈に降らせることになるんですね。

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リフトの向こうに見える凛々しい山は、妙高山。

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山頂目前で、汗ダラダラ(汁 2年前、南アBPの初日に熱中症となってヒドい目に遭遇したんで、「塩タブ」をむさぼり喰いながら歩いています。
ちなみに、今回からカブリものを新調。アウトドア・リサーチ(OR)の「シアトル・ソンブレロ」で、初めてゴアテックスを素材に使用したロング&ベストセラー・ハット。いや、数か月前、「A&F」銀座店の閉店セールを覗いたらコレをポッキリ半額で投げ売りしていたんで、飛びついたんです。

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7:55、斑尾山(1,382㍍)に到着。
「信越トレイル」の起終点であるコトを誇る、シンプルなテーブル状の道標があります。ココと天水山山頂(80km先、北上コースのゴール地点)の2ケ所にしかない、、ちょっと旅人のプライドをくすぐってくれる存在です。

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しかしこの山頂は樹木におおわれていて、眺めは何もありません。で、絶景ビューがひろがるというココへ、往復15分ほどのピストンを。

ところで、標識の下側にある、白地に緑で「ST」とデザインされたプレートは、信越トレイルのルートマーカー。これも北米の「アパラチアン・トレイル」などに倣った美点でしょう。トレイルの各所に、さまざまの目的で掲げられています。



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おお、すばらしい。右から、妙高山、黒姫山、飯縄山。そして手前に野尻湖。風が強い。
このデジカメ「IXY410」は24mmとかなり広角なんですが、入りきらないパノラマビュー。

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山頂の十二薬師さま。唱歌にも歌われてきた斑尾山、縁起・由緒がビシバシです。

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8:30、デッパツ。「信越トレイル」80km、4泊5日のスルーハイクのスタートです。

しかし、いきなりエンタテインメンツに遭遇して、カブリつく(w いやその。このラクガキ、すごいよ。年季が入りまくりです。1985年3月の日付が2ケ、見てとれる。昭和時代、それもバブルが始まる前という大昔です。むーん。中学校のクロカンスキー教室かなにかでココまで来て、ボールペンでコッソリとカキコしたのかしらん。きっとソイツは、今ではラクガキした自分と同じ年齢の子供がいるかもネ。

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これが有名な、どえらく高い位置に取りつけられた看板。

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雲がとれて、絶景度がアップ!
それにしても、夏のスキー場のビジュアルってのはインパクトがありますね。ミクシの登山系コミュには、パスタの茹で汁を地べたに捨てるのはヤメロとか、ダブルストックのゴムキャップは外さずに山道を歩けなどとホザくベテランを気どるアホが数名いるが、この「眺め」についてはどう考えるのか、ご意見を聞きたいところ(w

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スキー場の林道コースをガンガン下っていきます。カラッと暑い。前方には関田山脈の連なりが。そして日本海も望める。
このころ、ソロ・トレイルランナーに抜かれました。1ヶ月後に実施されるトレラン大会の下見なのかな。レース用のコース指示標も、このあたりではたくさん見かけました。

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ふたつ合わせると、マダラオってのは大規模なスキー場なんですね。

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万坂峠に向け、さらに林道コースを下る。日陰はありがたいと思いましたよ、そういえば。いま、真冬に思いだしたヨ(w
ふり返ってみますと信越トレイルでは、ありとあらゆる種類の「道」を歩きました。これは土のダートね。ブルのキャタピラ跡、ちょっと歩きにくい。

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「あらっ」。ココで気づいた。モンベル「ツオロミー・ブーツ」が壊れている。内側3ケ目のアイレットが外れちゃっていますね、まだ初日だってのに(汁 お願いだから最後まで持ってくれ。
この登山靴、4年間で40日くらい履いてきたハズ。もともとサイズが少しキツかったワケですが、なぜか知らん、今回は「おかしい。両方とも、えらく長さが縮んでる」。そんなコトが起きるのかフシギではあるが、これまでより両足の親指が当たるのは、事実。
この靴のせいで、この山旅では指先を常に丸めているという、苦しい歩きかたを強いられました。

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9:40、万坂峠(910㍍)を越える。
この眺め、なんつーかその、脱力しますね。下りきったら、いきなり舗装道路が登場する。目の前を観光客のクルマが走り去っていく。まあ、ココまでにもスキー場のホテルみたいな施設がルートから見えたりと、「人工臭さ」は横溢していましたが。
「なんだよコレ、風情がないな」。まあその。このセクションは昔から観光ハイキングエリア・スキーエリアとして広く開発されてきたのでしょうから、これから進むエリアとは異質の賑やかさを備えるというのは、わかります。

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峠を越えると、袴湿原。ごく狭いし、乾いていたので面白みはナシ。

ところで、ここから数日間分の画像、すべて真四角になっちまったコトを読者諸兄にザンゲいたします。いやその。このときセルフタイマーの写真を撮ろうとして、初めて(購入して9カ月くらい、たってるワケですがw)設定をイジっていたら、なんか知らん、画像フレームの設定を変えてしまったみたい。
そうしてソレに気づかず、今までどおり「横長」の感覚で風景をトリミングしちまっていまして。ああっ。穴があったらブチこみたい。もとへ。入りたい(w

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この直後、袴岳への登りにかかるあたりで、コレに遭遇。おお、いるんだね、クマさん。
そういえば、この数日前、YH「みゆきの杜」のオーナーに「熊鈴は必要か?」と聞いたのでした。持ってたほうがイイだろうとの返事でしたが、ご自身はクマを目撃したコトは無いとも答えるし、まあその。終日チリリンチリンとノイズ垂れ流しながら歩いていたら、なんか精神的にオカシクなっちまいそう、そう考えて買うのをやめた。

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キモチのいいブナ林の登りが続きます。万坂峠までのスキー場エリアとは違い、樹木におおわれていると涼しさが段違い。

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11:10、袴岳(1,135㍍)に到着。背景は妙高山。信越トレイルでは数少ないビューポイントのあるピークですが、そんなのは、歩き終わってから知ったコト(w
地図を見ると、スタート地点の斑尾山からは、西北西のアラヌ方向に逸れるというイメージがありますが、じつはココからゴールである天水山まで一直線になっています。珍しく山頂には木のベンチがある。20分ほど大休止しました。

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赤池へと下るトレイルは、カンカン照りでムシどもがウヨウヨ飛ぶ、荒れ気味のブッシュ・ゾーン。ベトナム戦争でジャングルマチェットを振り回しながら進軍する米兵たちのキモチを味わえました(w

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山道を下りきると、砂利のダート林道に出ました。真横には、沢清水が「ウッフン♪」とウインク。
「ぐぐぐ」。煮沸とか浄水とかが脳裏をよぎるコトなく、ザックを投げおろして外付けしているシェラカップですくう。飲む。「ぷはーっ」。ちょっとナマぬるいけど、最高。なに、少しくらい下痢したってかまうもんか(w

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本日のキャンプ地・赤池まで、こんなアタマク~ラクラの林道を2kmちかく歩く。
後ろからは、4スト単気筒のオフロード・バイクのオトが。「やや?」。どうやらワタシが下ってきた登山道にアタックしているみたい。「バカチンが」。ケモ道なら、他にナンボでもあるだろうがヨ。「XR」だったが、林道をヨタヨタ歩いているときに追い抜いていった。

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12:40、赤池に到着。
2階建てのきれいなキャビンがあり、トイレと水場(要・濾過。水道の蛇口から沢水が出てくる)が使えます。中を覗くと、カギがかかって入れないが、集会室というか、雑魚寝できそうな木の床のフロアが2階にある。カンカン照りの昼下がり、芝生の上で先ほどの馬鹿ライダーが、2階のベランダでは現場関係のオッサン2名が昼寝していました。

ちなみに、信越トレイルをスルーハイクすると、自販機のジュースを買えるポイントは、5日間のうち3日目に泊まる「グリンパル光原荘」の管理施設、わずか1ヶ所のみ。ちなみにビールは里に下りるまで調達不可能です。
ワタシの近年の登山体験からすれば、北アや南アルプスはもちろん、あの飯豊連峰よりもインフラの無い隔絶された場所という点で、ココはハードルが高い。涼しい季節ならともかく、汗ダラダラのこの晩夏には、「炭酸、飲みてえ!」という飢餓感が強かった。

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赤池というのは直径50㍍くらいの小さな貯水池。天然モノではなく、人造かも知れない。
そしてキャンプサイトは池の畔にありました。このサイトは、新たに造成された「信越トレイル」オフィシャル・キャンプ場2ケ所のうちのひとつ。2011年の夏ごろに整備し、この年(2012年)の雪解けを待って、6月末から営業を始めたワケです。

キャビンから100mくらい離れた目立たない場所にある、ブッシュ帯を刈り払っただけの小さな広場で、パッと見ではエリア手前の2ヶ所くらいしか、テントを張れそうにない。いやその。追加整備をしていないようで、ブッシュが伸び放題。もちろんキャンプ場の管理人なんかいない。そしてこの後も、定時見回りといった行為は無かった。
さらに「あれ?」と思ったのは、この看板です。「利用料金、無料」とある。事務局のサイトでは、こうなっているのに、ナゼかしらん。もちろんワタシは1泊1,000円也を、事前に銀行振込みしています。
ちなみに、事務局が運営している3ケ所のキャンプ場(「とん平」は未確認だから不明)には同じ作りの看板があったが、無料と書いてあったのは、この赤池のみ。

そういえば最初、キャビンの前の広い芝生広場がキャンプ場なのかと思いました。ホントのサイトよりも眺めが良くて、キモチ良さそうに思えた(w ただし、日中は少なからずクルマが近くを通過するポイントで、この点では正しいサイトのほうが人目につかなくて、ずっといい。

ワタシはこのコースを「キャンプでスルーハイク」して、さまざまの感想をレポートしていますが、やはり「テン場」の状態というのが、大きな関心事になる。「暮すような山歩き」が好きだからですね。
つまり、トレイルの状態とキャンプ地の状況、この2項目を均等に注目しているワケです。この目線では、残念ながら、「信越トレイルクラブ」事務局のキャンプ場の運営に対する「違和感」(怒り、ではない。ガッカリさせられちまう感ってなニュアンス)がある。
それは最終キャンプ地の「野々海」でピークを迎えたんですが、これはまた後ほど。

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生まれて初めて、生水の濾過作業をしているところ。
お手軽な浄水器として売れているらしい「スーパーデリオス」の兄貴分、ドリップデリオス。8月に「ナチュラム」がバーゲン価格の3,000円で大売り出し、さらに送料無料キャンペーン。グッドタイミングでゲットできました。

3㍑の水を一回で濾過できるから便利というフレコミですが、しかしコイツはイマイチ扱いにくいモノだった。ともかく、時間がかかる。水滴が「ぽた。ぽた。ぽた。」状態。間違っても「ぽたぽた」ではナイ(汁
メンドくさくなって「まあ、いいや」と、そのまま生水を飲んでました。腸の性能が極端に劣化しているワタシではありますが、いきなりハライタになるとかゴロゴロ鳴り始めるというコトも無かった。「むーん?」。なんだ、飲めるんじゃん。山の中とかバイクで走るダート林道ワキの沢清水と同じようなもの、同じレベルなんじゃないか?

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ニワカにお空がかきくもり、霧雨が降り始め、しばらくしたら止む。こうなったらもう、飲むしかないのです(w 好みのバーボン「ジンビーム」の水割りをチビチビと。地べたには、アリさんがいっぱいでキモチ悪し。

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今合宿のブリリアント・ニュー・アイテム、パウチ入りのスパムをつまみに。ちょっと焼き目を入れて一味唐辛子で味付けしようと思ったが、チタンのクッカーは甘くなかった(w いや、使いものにならんとは聞きますが、やわらかいソーセージくらいならイケるでしょ、そう考えたワタシがアホでしたよ、ええ。
とはいえ、今回の唯一のアルミ製クッカー「ラーメンポット900」ならキチンと焼けるはずですが、コーヒー用の湯も沸かすから、こうした焼きものはしたくなかった。

あいかわらず雨は降ったり止んだり。すると、遠くからチリンチリンと鈴の音が近づいてくる。ナンダナンダ。なにかの行者か。
答えはトレランの兄ちゃんでした。小太りのジミー大西似。小走りで、歩くよりはちょっと速いくらい。熊鈴がヂャリヂャリ鳴ってるが、なんか精神に異常を来さないか心配になるほどのノイズである。
「あれまァ」とバーボンをすすりつつ見ていたら、兄ちゃん、クルリとワシのいる右に振り向いて、なぜかワシを睨み据えながら首90度固定のまま無言で視界から消えていった。むーん。熊鈴のデストロイっぷり、恐るべし(w

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晩メシは、アラビアータ・ソースをぶっかけたマカロニ、うずらの燻製卵添えが主食。つまみにカルパス半本。そしてフリーズドライのオニオン・スープ。

19時ころ、シュラフに入る。初日でもあって大いに疲れているハズなのに、2時間くらいで目がさめてしまいました。標高は900㍍くらいの場所ですが、暑かったのかな。それから1時間ほど、エレキで照らしながら地図を眺めていた。



バックパッキングCM:2

信越トレイル・いくつもの峠越えの山旅(1) Prologue 

2013/02/13(水) 23:59:54

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◆9月2日(日)

◇デッパツ
19:30、愛車のストレートシックスに火を入れ、千葉ベイエリアの自宅をデッパツ。いよいよ、信越トレイルだ。
お天気は晴れ。胃腸も肝臓もイイ調子。このマイカー登山ってヤツですが、一回やっちまうとラクチン過ぎて、二度と電車で出かけるのはイヤ!という両刃の剣。堕落堕落。

きょうの目的地は、長野県の北東にある斑尾山。信越トレイル・北上ルートのスタート地点になります。
初めてワタシは訪れるエリアですが、スキー場銀座で有名なところ。最近では、トレイルランのメッカでもあるらしい。そのマダラオ東山麓にある登山口にクルマを留め置き、今回のソロ山旅をスタートします。

夏休み最後の日曜の晩、ソコソコ空いた京葉道から首都高に突入。池袋からは下道で、関越道の大泉ICへと西走。いつもながら千葉市民にとってはメンドくさいアプローチ。そしてやっぱり空いている関越道から上信越道へ。
ハイウェイの山岳ゾーンでは、バケツをひっくり返したような豪雨に遭遇。オッカネー。こういうの、昔はウキウキしたモンですが、もうダメ。そういえば「碓氷軽井沢」ICより先にクルマを走らせるってのも、ワシ、初めてなんじゃな。トンネルだらけで、そして気温はえらく低い。クルマの外気温計では、18.5℃。

23:00、高速の出口である「豊田飯山」IC直前にある「小布施」PAにクルマを止め、仮眠をとるコトにしました。やっぱり、暗い山の中で目的地を探してウロウロするのはメンドくさいからね。シートを倒したら、即撃沈。

さて。眠ってるあいだに、ラード恒例の「ひとり夏合宿」を信越トレイル踏破に決めた経緯とその準備などについて、ちょっと述べておきましょう。

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◇いきさつについて
初めて信越トレイルのコトを知ったのは、2008年の春。「BEPAL」誌の特集でした。
これは、ワタシが「山系バックパッキング」と名付けたキャンプ山行に開眼したのと、ほぼ同時期。「これは新しい。歩いてみたい!」。日本初というロング・トレイルの存在に衝撃を受けて、記事にしたモンです。

その次は、一昨年の9月。「いつか単独テン泊縦走をしてみたい」とロック・オン。そのキッカケは、加藤則芳氏の著書「メインの森をめざして」を読んだから。この本にも衝撃を受けて、やはり記事にしました
その後、加藤氏のブログで、2008年の秋に信越トレイル全線80kmが開通したときの香気あふれる、そして希望に満ちたブログ記事を読み、ますます憧憬はふくらみました。

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◇ハナシは、なかなか進まない
ただしこの時点では、まだ、トレイル上での幕営(=キャンプ)が認められてはいなかった。「いつかは解禁するらしい」、そんなウワサをココロの拠りどころにしていました。
で、その数ヶ月後、シェルパ斉藤氏のブログ記事で、いよいよ「来夏(2012年)からキャンプ解禁。スルーハイクが実現」という情報をゲットしたんです。
そうして、キャンプ情報が信越トレイル・オフィシャルサイトに上がるのを心待ちにしました。ところが、なかなか出てこない(w 
まあその。信越トレイルの事務局は、幕営山行をする連中のコトを「ヤングなビンボー人」だと考えていたフシがある(w いやホント。ソースはこちらね。いくらなんでも、ずいぶんじゃないか。江戸時代かよ、と。

いいかげんスネたワタシ、北アの理想的バックパッキングの一筆書きルートを思いついて、ソレと天秤にかけたりしました。なにかというと、八方から「ゴタテ」を縦走して栂海新道を下るというもの。
7月に入って、遅まきながら自宅近辺でのジョギングをスタート。でも、ツガミの最終セクションは今のワタシの脚力では、ちょいと厳しそうかな、と。で、このアイデアは来夏にやろうと改めたワケです。

ちなみにジョギングは、それほど熱心にやらなかった。大汗をかくことでカラダを夏山に適応させる、そんなニュアンスですね。真夏の夕方に、8kmを50分。いやその。ココまでレベルを上げるのも、ホントはタイヘンだったのはナイショですが何か(w 
まあ、信越トレイルでの歩行距離ってのが、5日間で80km。そして4日目の行程が20kmと長くてハードだから、それに必要な根性を養ったというムード。

さて。実施のタイミングは、9月の初旬にキメました。
千㍍チョボチョボの低山歩きだから、真夏よりは晩夏のほうが暑さはマシになるのでは、そんな魂胆ですが、結果としては、完膚なきまでに無意味でしたね(w 
もうひとつの理由としては、夏休みという期間に先行者たちの情報がより多く集まるのでは、という目論見も。まあ、これについても期待ハズレでしたが。

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◇情報収集について
まったく土地カンの働かないエリア・信越トレイルについての調査、情報集めも始めていました。

まずは出版物から。シェルパ斎藤氏のこのムックは、6月半ばに発刊。巻頭で信越トレイルがフィーチャーされています。書店で見かけて、即購入。
同じころ、「PEAKS」誌だったか、森山某の記事も見つけて購入。また「岳人」誌も似たようなものがあったが、こちらはスルー。
前年の秋に、信越トレイル事務局は、プロフェッショナル数名に先行でキャンプ&スルーハイクを行ってもらい、夏を前にいよいよ指定地でのキャンプが解禁されるころ、そのレポートがメディアに載るというパブリシティを行った模様。誌面の情報量は多くはないけれど、ワタシには貴重な情報源で助かりました。

次いで7月末、「amazon」でオフィシャル・ガイドブックを購入。1,365円。
さらに8月、オフィシャル・トレイルマップを購入。3分冊で計1,500円。送料300円、銀行の振込み手数料210円。総計2,010円。
これも高価いよね。とくに地図裏面の記載事項なんか、3分冊分とガイドブック分がほとんどカブっていて、脱力しまくりです。

まあその。トレイル・マップは、2万5千という実用的な縮尺で、「ユポ紙」製だから濡れに強く、なにしろ他に代替できるモノが無いから、3冊ともに購入すべきです。
しかしながらガイドブックは、スルーハイカーは買わなくてイイ。逆に欲しい情報が載っていないからストレスがたまります。

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◇ネットで検索
もちろん、ネットでの情報収集は熱心にやりました。ところが8月末までは、トレイルに関する情報量は(別項をたてて後述しますが)、ごく少ないものだった。
たとえば、「ヤマレコ」での山行記録のコチラとか、コチラ。あるいは、コチラ。これくらいしか、当時、「キャンプでスルーハイク」のネット情報は無かったワケです。
そのうえ、2泊とか3泊で歩くヒトってのは健脚すぎてイマイチ参考にならないし、最後の記事にしても、ワタシが「知りたい!」ネタについてはキレイさっぱり触れていない、という諸行無情(w

◇知りたい情報、とは
ともかくワタシが知りたいコトとは何かというと、つぎの2点。まず、水場についての情報。もうひとつは、入下山でのアプローチ方法についてでした。

水場は、各キャンプ地にある水場の「状態」を知りたかった。
そこで十分に調達できれば、歩行時には補給の心配はない。水量はどうか。また、フツーに飲める水質なのか。
ちなみにガイドブックやオフィシャルマップ、そして各種情報では、「煮沸あるいは器具を使用しての濾過が必須」と、くどいくらい書いてあります。
それは、ナゼか。北アとか奥多摩など、在来の「山の水場」とは、水質という点でナニか決定的に異なるのか? ここまで登山者の不安をあおる理由はナニか? 付近に廃鉱とか、あるのだろうか。

結局、ワタシは事前に、生まれて初めて浄水器なるモノを購入しました。煮沸という作業はメンドーだからね。そして、池の水たまりみたいなヤツを飲む他ない状況なんて、想像しただけで悶絶できます。

入下山のアプローチについては、これも情報が乏しく、計画を組むのに困りました。
まず、電車で行くかマイカーにするか、という問題。電車は乗り換えなどの問題で、たしか早々にあきらめたと思う。もう忘れちまったけれど(w

で、マイカー登山ですが、単独の場合はタイヘンなワケです。クルマを留め置いたスタート地点まで戻るのが。この信越トレイルの場合、ゴール地点である「天水山」からの下山方法は、2つ。
まずは「栄村口」ルート。距離で5km、標高差800㍍をヒコヒコ下る。ところがコレ、林道が崩落したまま放置プレイだかナンダカ。情報がなく、通行して良いのかどーかも「なんか、よくわかんない」。いやはや。
もうひとつは「松之山口」ルート。天水山から小一時間下った下山口(南下コースの登山起点)であるコチラに、タクシーを呼ぶというもの。ただし費用は6千円くらいかかる。

さらに付け加えますと、「飯山線」ってのが超絶ローカル。最寄り駅の「森宮野原」から飯山駅に行く電車は、午前は何と4本しかない。飯山駅からクルマを留めている場所まで行く路線バスは連絡が異常に悪い。オマケに県道のそのルートは春から崩落でずーっと通行止めにしておりますけん大迂回ヨロシク。ええ、このルートもタクシーに乗るんなら4千円くらい頂戴しちゃおうかな、うふふ。

いやしかし、敷居が高すぎだわな(汁 クルマの場所まで、はたしてその日中に戻れるんでせうか? 飯豊連峰のアプローチの極悪さが思いだされるぜ。結局、このときまでワタシは、松之山口から舗装林道をエンエン徒歩で森宮野原駅まで下るつもりでいました。

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◇悩みどころ、解決!
実施の一週間前くらいだったか、ネットで情報を漁っていたときに優れたスルーハイクの記事をゲット。で、ソコからググっていくと、「やった!」。
思わずヨロコビに身をふるふる震わす、すばらしい信越トレイルの個人ポータルに出くわした。
いやその。現在はどうかわかりませんが、8月末では、ココは検索イッパツで表示されなかったのだ。とまれ、情報が少なかった水場情報については、かなり補強できて安心しました。

さらにデッパツの直前、3日前くらいでしたか、アプローチ問題をキレイさっぱり解決する、もうひとつの耳よりな情報と、それを含む個人サイトを引き当てた。
これで準備段階での悩みごとは、だいたいクリアになりました。それにつけても情報の大切さよ。こんな「裏ワザ」をこのタイミングでゲットできたのは、まったくラッキー。
オーナーから電話でいろいろハナシを伺い、結局、行程をこのように決めました。マイカーは斑尾山の登山口に残置。5日後の15時、松之山口にて、ワタシをユースの自家用車でピックアップ。スタート地点まで同乗してマイカーを回収し、その晩はユースホステル「みゆきの杜」に食事つきで宿泊、翌日ゆったりと帰宅する、というもの。
(格安でサポートしてくれる送迎の料金などについては、シリーズ記事の最後に、各種情報ともどもカキコする予定。ご期待いただこう)
というワケで、今回は「夜行5泊6日」のソロ・バックパッキング旅になりました。

最後に、信越トレイルの事務局あてに3ヶ所分のキャンプ代金を振り込み、フォーマットに従って登山届をメールで発信。3泊目の「グリーンパル」キャンプ場(ココだけは運営が異なる。別枠で申し込む)も電話予約して、やれやれ、準備が整いました。

ようやく、えらく長いマクラが終了(w つぎに続きます。

バックパッキングCM:8

信越トレイル、キャンプでスルーハイク

2012/10/22(月) 23:41:27

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信越トレイルを歩いてきた。
いつもながら遅筆で恐縮ですが、それは今からひと月半前、9月初めのこと。

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信越トレイルとは、2005年に開通した日本を代表するロング・トレイル。
信州と越後の国境ライン「関田山脈」を新たに縦貫させた、山岳縦走路とは異質のもの。
NPO法人が一大プロジェクトを取りまとめ、多数のボランティアと共に育んでいる。

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斑尾山から天水山まで、全長80km。4泊5日のソロ山旅となる。

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今までは山麓に宿をとり、そこのクルマでトレイル各所へ送迎してもらう観光モデルのみ。
「豊かな自然と歴史・文化を感じる」場所で、地元との共生がキモだから当然か。

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それが、ついに今年6月から指定サイトでの幕営を解禁。
山から離脱することなくシンプルに旅を続けられるようになったワケだ。
これをスルーハイクと呼ぶ。冒険の要素が入ってくる。
このときを、待っていた。

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テントで山に暮らし、一筆書きのルートを歩く。これがワタシの山系BP主義。
スルーハイクでの記録や資料がほとんどない信越トレイルを、今年の目標としたのだ。

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そうして歩きに歩いた。
ムチムチのバディにムチ打って、晩夏の里山を一所懸命に歩いた。

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暑い毎日だった。
 
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飲用水の確保については心配のタネが尽きなかった。

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キャンプサイトに憤慨した。

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ピークを渡り歩くというより、じつは幾多の峠越えルートだと思えた。

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さまざまの状態の「道」に足跡を残した。

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ブナの林が荘厳だった。

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ほとんどまったく人に出逢わない、信じられない静かな山だった。
そのかわりにクマとニアミスし、フクロウとは夜中に3㍍の距離で向きあった。

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歩き通した達成感、それは大きかった。

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振り返る余裕が出てきた今、この山旅のいっさいを記しておこう。



【行動メモ】

・9月2日(日)出発~上信越道PA車中泊
・9月3日(月)斑尾高原~斑尾山~袴田山~赤池キャンプ地
・9月4日(火)~毛勝山~涌井~黒岩山~桂池キャンプ地
・9月5日(水)~仏ケ峰~鍋倉山~光ケ原キャンプ場
・9月6日(木)~牧峠~伏野峠~野々海高原キャンプ場
・9月7日(金)~天水山~松之山口~みゆきの杜ユース泊
・9月8日(土)~帰宅



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避暑地の夏の正装

2012/04/30(月) 06:07:00

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いやその。「避暑地」っつったって、軽井沢なんかのハナシではない。
わが恒例のイベント、夏の山暮らしにおけるテン場でのカッコについて、なのです。
ま、そんなん、皆さんにおかれましては重々ご承知だと思うけどサ(w

そして避暑地の正装とはナニか。
ワタシのオススメはこちら、ユニクロ製のドライステテコであります。

ステテコ…。おお、古き良き昭和の香りよ(w
本来は「下着」、せいぜいがルームウェアに仕分けられるモノなんだろうがネ。
最寄りの巨大スーパー「イオン」にも、今、結構なラインナップが並べられている。
エコでロハスな今年の暑い夏に向けたアイコン的グッズなのかもしれない。
これを、キャンプのときのリラクシング・ウェアとして使い倒す、そう考えます。
マドラスチェック柄のものなら、なんとかなるんちゃうか、とね。

はじめてワタシがコイツを目にしたのは、あの銀座のフラッグシップ店だった。
12階建てのビルのフロアすべてがウニクロの製品という、ワタシには垂涎の場所。
リニューアル・オープンしてしばらくの4月の中ごろ、ヒヤカシに行ったんです。
すると他の店ではまだ見たコトがなかった「ステテコ」がズラ~リ、と。

「コイツは夏山でイケるかも」。そのとき、ピンときたワケですよ奥さん。
熟慮の末、むかし懐かしのバミューダショーツをホーフツとさせる赤チェック柄を購入。
ラグジュアリー用だからサイズはゆったり「XL」で。990円でした。

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強調すべきは、その軽さ。わずか108gです。
昨夏の尾瀬に持っていって重宝したユニクロ製の短パンは、296g。
それにしても、この写真はイイんだよなぁ。まあその。手前味噌すぎですが(w
でも、「夏の避暑地」で連想するすべてのモノやコトが写っている、そんなムード。
シッカリとした造りの短パンは、ステテコごときと比べられたら気の毒ではある。
しかし盛夏のキャンプ地では、今後はステテコ君で必要にして十分かと。
そう。この軽さと畳んだときの小ささ、そして低価格は「バリュー」なのです。

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やがて、近所のフツーのユニクロショップでもコイツが売られ始めた。
するとフザケたことに、早くも叩き売りなどしているワケですよ奥さん。
わずか680円。当然ながら即購入。今回は青系のマドラスチェック柄を。
これまたバミューダショーツっぽさを狙ったチョイスです。

いやその。ウチの中でも愛用していますがネ。
ツンパ1枚ではちょっとアレな週末とか。ま、年ごろのムスメがいることもあり。
そして生地の肌ざわりがイイから、フロあがりなどでもストレスがない。
山に限らず、フツーに長く使えるベーシックなスグレものと言えそうです。


【追記:2012年6月17日】
ユニクロのステテコ・プッシュがハゲしい。
先日、思わず唸っちまったニュースが、コレ。なんと「ステテコBAR」(w 
バーテンダーがお客に合う柄をアドバイスとかナントカ。
むーん。こうなると、山のテン場でヒトとカブる恐れも出てくるナ。


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